「倉敷物語はちまん」全国上映を 製作委、後編制作もにらみCF

映画のワンシーン(製作委提供)

 明治の倉敷を舞台にした小説の実写映画「倉敷物語はちまん」の製作委員会が、完成した前編の全国上映を計画している。「倉敷の歴史やスポットをさらに発信したい」と、クラウドファンディング(CF)で経費を募っている。

 映画はいがらしゆみこ美術館(倉敷市本町)出版の小説が原作。“おてんば”を意味する方言「はちまん」と呼ばれ、激動の時代を生きるヒロイン・藤乃の姿を描く。実業家大原孫三郎、郷土史家永山卯三郎ら、実在の人物や史実を織り込みながら物語は進む。

 美観地区など県内各地でロケを行い、地元の子どもらも主な登場人物を演じた。昨年12月から今年1月にかけ倉敷市内で先行上映。4月14日からは岡山メルパ(岡山市北区中山下)での本上映が決まっており、その後も東京、関西、福岡で計画している。

 CFは、山陽新聞社や中国銀行などが提供する「晴れ!フレ!岡山」を活用。映画館のレンタル料やテレビCM制作費などに充てる。当初の目標100万円は達成したが、後編制作に向けた「ネクストゴール」に200万円を掲げ、5月2日まで募る。

 返礼品として、NGシーンや演技指導風景を集めたメイキング動画などを用意した。監督で製作委員長の三城誠子さんは「魅力ある倉敷の歴史を、全国の方に再発見してほしい」と話している。

 詳細や支援は専用サイト(https://readyfor.jp/projects/hachiman-movie)。

© 株式会社山陽新聞社