
料理系ユーチューバー・みきママさんが離婚
先日、家庭料理のメニューを紹介するブログやインスタが大人気で、レシピ本も数多く出版する料理研究家「みきママ」さんが離婚したことを発表しました。今春、第一志望に合格して大学生になる長男を筆頭に、合計3人の子どもを持つみきママさんは、昨年、自身も管理栄養士の国家試験合格を目指して大学に入学。チャンネル登録者約50万人の人気ユーチューバーとしても活躍中です。 「いつの間にか夫婦の関係がすれ違ってしまいました。改善しようと何度も話し合って色々な形を探しましたが、家族5人の未来を考えた結果、離婚することになりました」とSNSでコメントし、夫の「はやパパ」さんに18年間に及んだ結婚生活に感謝の気持ちをつづっていました。 はやパパさん自身のブログによると、結婚後、みきママさんが料理研究家としての活動をはじめてからは家事や育児のサポートをするため、それまで勤めていた会社を辞めて独立。自宅で働きながら、子どもたちのサッカーチームのパパコーチもしてきたとのこと。「今は離婚して、シングルファザーとして子どもたちと過ごしてます」と報告しています。 みきママさんとはやパパさんの元ご夫婦のどちらに親権があるのかはわかりませんが、一般的な例として、妻ではなく夫が親権を持つケースも珍しくなくなってきました。ひと昔前とは違い、子どもが幼い頃から積極的に育児にかかわってきたという自負があるため、「今後も継続して子育てをしていきたい」と願う夫が増えたこともその一因と考えられます。 妻のほうも、「夫としては価値観が合わず上手くいかないが、父親としては信頼している。子どももなついているし、将来の幸せを考えても夫が親権を持つほうが自分よりふさわしいのではないか」と考え、円満離婚に踏み切るパターンもあります。
実は「親権を持つ人=子育て担当」ではない
ところで、「親権を持っている側=子育て担当」とは限らないことを知っていますか? ひと口に親権といっても、じつはそのなかに監護権と呼ばれる権利があります。監護権とは、子どもを育てる権利のことで、親権を持つ人とは別の人が持つこともできるもの。つまり、親権を持っていなくても離婚後に子育てをしていくことは可能なのです。 筆者の相談事例でも、夫が親権、妻が監護権をそれぞれ持って離婚が成立するケースはあります。 「親権を持つのは夫でも、実際に子どもと一緒に住み、子育てをするのは妻」とするメリットは、夫が親権を持つことで子どもに対する責任感が生まれ、養育費などの支払いが滞るリスクが軽減できる、という点です。 また、夫と別れて子どもは引き取りたいと考える妻が、「夫に親権を渡さないと離婚に応じてもらえない」と悩むケースでも、「夫に親権は譲るが、自分は監護権がほしい」と主張して離婚の交渉に及ぶこともあります。 いずれにしても、もっとも大切なのは、夫婦で子どもを取り合うことではなく、離婚しても夫婦がお互いに協力し合いながら子どもを育て、成長させていくことです。そのために、自分たちにできる方法を選択することが、子どもの幸せを最優先に考えるベストアンサーだといえるでしょう。
岡野 あつこプロフィール
夫婦問題研究家、パートナーシップアドバイザー、NPO日本家族問題相談連盟理事長。立命館大学産業社会学部卒業、立教大学大学院 21世紀社会デザイン研究科修了。自らの離婚経験を生かし、離婚カウンセリングという前人未踏の分野を確立。32年間で相談件数3万8000件以上、2200人以上の離婚カウンセラーを創出。著書多数。近著に『夫婦がベストパートナーに変わる77の魔法』