4月9日に投開票を迎える静岡市長選挙。この選挙の現場を回ったのがタレントの井上咲楽さん(23)です。実は井上さん、「国会傍聴」が趣味。これまでも、多くの政治家を取材してきた“政治ウォッチャー”の彼女が、候補者3人の本音を引き出します。
<井上咲楽さん>
「よろしくお願いします。静岡だ、お茶だ」
選挙取材をこよなく愛するタレントの井上咲楽さん。
<井上咲楽さん>
Q.なかなかポスターを写真に撮る方はいないんじゃないかなと…
「これは静岡に来ないと撮れない写真なので」
井上さんがまず話を聞いたのは、元静岡県議の山田誠候補(61)です。気になったのは、選挙カーに掲示された親指とひとさし指を伸ばしたマークです。
井上咲楽「このマークは?」
山田誠候補「これ?これはYでしょ?Yだから山田のY」
井上「これ(ひとさし指と中指)でもYですよね?」
山田「これではね、Yじゃないんだよ。これはVサインってみんな取っちゃうから」
自民党で長く県議を務めた山田候補ですが、その自民党は対抗馬の応援に回りました。
井上「自民党に対しては今回の対応で不信感もある?」
山田「私?ありますよ。だって私を推薦しないのはいい。彼らが決めることだ。推薦しないなら推薦しないで、じゃあなんで自分たちで(候補を)出さないの?ってことなんです」
井上「辛くないですか?」
山田「いや、楽しいです」
井上「後悔してないですか?」
山田「後悔?後悔なんかしないさ。あたたかい支援をいただけることに本当に感謝しています」
<井上咲楽さん>
「山田さんは吹っ切れているのかなと言うのはすごい感じました(党と)何のつながりもない分、いろいろはっきりお話しされる印象」
続いて取材したのは、共産党公認の鈴木千佳候補(52)です。レインボーのタスキは多様性を表すといいます。
井上「『9』は何ですか?」
鈴木千佳候補「これは憲法9条の『9』なんです。私はずっと選挙に出てからつけ続けているんです」
これまで、国政選挙などに挑戦してきた鈴木候補。市長選は初めてです。
井上「それでも次チャレンジしようと思われるんですね?」
鈴木「落選する時には落ち込むことはあるんですけど、娘が小学生の時なんですけど『お母さんまだ選挙出るの?』と言われた時に、もう出ちゃダメってことかなって思ったら『私が投票するまで選挙頑張ってね』って言われたことがありまして、その言葉を励みに頑張っているところです」
<井上咲楽さん>
「鈴木さんは女性とか子ども目線っていうのは、すごく流ちょうに話されている印象。難波さん、山田さんじゃない考えの人たちの受け皿になるのかなと思いながら」
最後は元静岡県副知事の難波喬司候補(66)です。多くの支援者と与野党の議員が入り交じる応援態勢は、ほかとは異なります。
井上「いいですか、1枚(写真を)撮っても?はい、チーズ…」
難波喬司候補「ちょっと待ってください。これと同じに笑うので」
井上「これと同じがいいですか?はい、いきまーす、はい、チーズ。全く一緒ですね」
難波「そうですか、よかったです。これ、作り笑いじゃないですから。ちゃんと普段笑います」
官僚や副知事として実績を残してきた難波候補ですが、選挙に挑むのは初めてです。
井上「党派とかあんまり関係ない?」
難波「そうなんです。だから、誰を選んだら結果が出るのかってことで私を選んでくださってると思っています」
井上「演説であまり政策の細かいところについて触れなかったのは?」
難波「政策は山ほどあるんですよ。1つや2つの耳障りのいい政策ということで出すこと自体が私はすごく不誠実だと思っています」
<井上さん>
「難波さんの陣営は与野党交ざっているので、もっとギスギスしているのかなと思ったが、全然市議の方も和気あいあいとされていたというのは、本当にまとまっているのかなという印象はありました」
「国政よりも地方政治の方がもっともっと、自分の生活に密着しているし、すごく近いものだと思うので、地元の人からしたら(候補者が主張していることも)『あ、あの話か』ってピンとくるものってすごくたくさんあると思う。だから、もうちょっと細かく地元の人も見て行くとおもしろいんじゃないかなと思いました」