無投票当選4選挙区で7人当選 定数の15%審判受けず

 31日に告示された県議選は、16選挙区中、4選挙区の計7人が有権者の審判を受けずに無投票で当選を決めた。前回(2019年)の6選挙区、11人からは減ったものの、依然として複数の選挙区で有権者の投票機会が奪われている状態だ。定数50に対する無投票当選者率は、前回比7ポイント減の15%。識者は「市町議員の担い手不足と魅力低下が、県議の候補者不足にも影響している」と指摘する。

 無投票当選が決まったのは定数2の日光市、真岡市、芳賀郡と、定数1の壬生町の各選挙区だった。

 当選者7人のうち6人は現職で、1人は勇退する現職から後継指名された新人。公認政党では自民が5人で、無所属が2人だった。

 無投票を含む全16選挙区の立候補者数は67人で、前回より3人増えた。このうち新人候補は22人で、全体の33%となっている。過去10回で最少だった前回の16人からは増加したが、11年の33人、03年の42人には及ばない。新人を含む立候補者数の少なさが、無投票選挙区を生む要因となっている。

 地方議会に詳しい明治大公共政策大学院の広瀬和彦(ひろせかずひこ)講師(地方議会論)は「多様な意見を持った市町議員が増えて質を上げなければ、県議選の候補者も地域から出にくい」とみる。

 1人区をなくすなど区割り見直しによる効果は「無投票選挙区が減る可能性はあるが、人口規模の小さな市町は置き去りにされ過疎が進む場合もある」と指摘している。

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