天の川銀河最大の球状星団「オメガ星団」 南米の望遠鏡が撮影

【▲ 天の川銀河最大の球状星団「オメガ星団」(Credit: CTIO/NOIRLab/DOE/NSF/AURA, T.A. Rector (University of Alaska Anchorage/NSF’s NOIRLab), M. Zamani & D. de Martin (NSF’s NOIRLab))】

こちらは「ケンタウルス座」の方向約1万7000光年先にある球状星団「オメガ星団」(ω星団、Omega Centauri)です。画像の横方向の範囲は満月の視直径約2.4個分に相当します(視野は12.71×12.67分角)。

球状星団とは、数万~数百万個の恒星が球状に集まっている天体のこと。天の川銀河ではこれまでに150個ほどの球状星団が見つかっていますが、オメガ星団はそのなかでも最大のものとして知られており、約1000万個の星々が集まっています。

この画像はセロ・トロロ汎米天文台(チリ)のブランコ4m望遠鏡に搭載されている近赤外線撮像装置「NEWFIRM」で取得されたデータ(赤外線のフィルター3種類を使用)をもとに作成されました。広視野・高解像度の観測装置であるNEWFIRMはセロ・トロロのブランコ4m望遠鏡とキットピーク天文台(米国アリゾナ州)のメイヨール望遠鏡で交互に使用されており、前回は2012年~2016年にかけてメイヨール望遠鏡での観測に用いられました。ブランコ4m望遠鏡に搭載されたのは2011年以来で、移設に先立ってソフトウェアとハードウェアのアップグレードが施されています。

画像を公開した米国科学財団(NSF)の国立光学・赤外天文学研究所(NOIRLab)によると、NEWFIRMは重力波望遠鏡で検出された重力波に対応する天体の探査などに用いられる他に、同じ望遠鏡に取り付けられている観測装置「ダークエネルギーカメラ(DECam)」とともに、現在建設が進められている「ヴェラ・ルービン天文台」での観測も支援するということです。

冒頭の画像はNOIRLabから2023年3月28日付で公開されています。

Source

  • Image Credit: CTIO/NOIRLab/DOE/NSF/AURA, T.A. Rector (University of Alaska Anchorage/NSF’s NOIRLab), M. Zamani & D. de Martin (NSF’s NOIRLab)
  • NOIRLab \- NEWFIRM Imager Returns to NOIRLab in Chile, Captures Omega Centauri Globular Cluster

文/sorae編集部

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