神秘的な青い光に歓声 滑川でホタルイカ観光始まる

ホタルイカ漁の定置網を引き上げる漁師ら(手前)と、様子を見学する観光船の乗客(奥)=1日午前3時10分ごろ、滑川沖

 ホタルイカ漁を間近で見学できる「ほたるいか海上観光」が1日、滑川沖でスタートした。午前2時半ごろ、定員いっぱいとなる計70人の観光客を乗せた市の観光遊覧船「キラリン」と民間船が滑川漁港を出発。沖合約1.5キロの漁場で漁師が定置網を引き上げ、ホタルイカが姿を見せた。漁船や観光船の明かりが全て消えると、真っ暗な中にホタルイカだけが青白く光り、神秘的な光景が広がった。

 千葉市から来た小嶋拓也さん(37)と航生君(7)の親子は「不漁だと聞いていたので心配だった。想像より激しく光っていて感動した」とそろって笑顔。昨年も乗船予定だったが、雨で運行中止になっただけに、喜びもひとしおの様子だった。航生君は「ホタルみたいに黄色く光ると思っていた。青色に光ってすごかった」と話した。

 漁は約1時間で終了。観光客は漁港に戻り、水揚げされたホタルイカをじっくりと眺めた。

 今年のホタルイカ漁は今のところ、記録的な不漁となっている。県水産研究所によると、過去10年間の3月の平均水揚げ量は473トン。今年は県農林水産公社の速報(3月29日まで)で50~60トン程度にとどまり、例年より大幅に少ない。

 この不漁により海上観光への打撃を懸念する声もあっただけに、まずまずの滑り出しに市水産観光課の永田光司課長はほっとした表情。「水揚げの量にかかわらず発光はきれいなので、多くの観光客に楽しんでもらいたい」と願った。

 今季の海上観光は5月7日まで。3月31日時点の予約率は93.8%で、休日の予約は既に埋まっている。

水揚げされたホタルイカ
観光客を乗せた観光船
水揚げされたホタルイカ
海上で青く光るホタルイカ

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