【ポップな心霊論】「亡くなった親父の足元を見たら、死んだはずの愛犬が…」

(イラスト:マユボンヌ)

その霊能力のために、楽屋では霊視を求める先輩芸人たちが行列をつくることもあるという、吉本興業所属の“霊がよく見える”芸人・シークエンスはやとも。『ポップな心霊論』は、そんな彼が人生で見てきた霊たちや霊現象などを紹介していくコラム連載!

【亡くなった親父と愛犬との絆】

親父が亡くなる1年ほど前、実家で犬を飼い始めました。

犬好きの親父がどうしてもと言うので、面倒を見きれなくなったら、僕が譲り受けるという約束で迎え入れたんです。

親父はものすごく喜んで、体調が優れないながらも、精一杯世話をしていたようです。

犬もそんな親父によく懐いて、すごく幸せそうでした。

ただ、親父がその犬と過ごせたのは、ほんの10か月程度でした。実は、少し目を離したすきに、交通事故で死んでしまって……。

親父もお袋も、ものすごく後悔して落ち込んでいたし、飼うのを許した僕にも責任があるなと、本当に申し訳なく思っていました。

それから数か月後、親父が亡くなった日のこと。

病室で対面したとき、安らかに眠る親父の顔を見ながら話しかけていたら、布団の足元のほうがずしっと沈み込んだ感覚があったんです。

見ると、死んだはずのあの犬が、そこにちょこんと座っていました。

たぶん、死んだあともずっと、親父のそばにいてくれたんじゃないでしょうか。

いつの間にかすっと消えていたのですが、天国で親父と一緒に、楽しく過ごしてくれていればいいなと思います。

【PROFILE】

シークエンスはやとも

1991年生まれ。吉本興業所属。『ホンマでっか!?TV』(フジテレビ系)などで見せた芸能人の霊視も話題に。自身のYouTubeチャンネルでも心霊話を配信中。本連載をまとめた著書『ヤバい生き霊』(光文社)が発売中。

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