【メジャーリーグを知ろう!】吉田正尚所属・レッドソックスはこんなチーム

WBCで大会新記録となる13打点を記録した吉田正尚 @Getty Images

WBC(ワールド・ベースボール・クラシック)で、14年ぶり3度目の優勝を果たした侍ジャパン。

その打線の中心となったのは、準決勝の起死回生の同点3ランなど打ちまくり大会新記録となる13打点を記録、大会ベストナインにも選ばれた打撃の天才・吉田正尚だった。
そんな吉田は、今季からレッドソックスに移籍し、メジャーリーグに戦いの舞台を移す。

今回は吉田の所属するレッドソックスについて紹介。

本拠地フェンウェイ・パークの名物グリーンモンスターの前が吉田正尚の定位置 @Getty Imaegs

◆浮き沈みの激しい名門球団は今季は転換期。新戦力や若手の活躍がカギ。

100年以上の歴史を誇る名門球団のレッドソックスだが、近年の特徴は「浮き沈みが激しい」ことだ。直近10年の成績を見ると、地区優勝が4回、ワールドシリーズ制覇も2回と名門の名に恥じない結果を残している一方で、地区最下位に沈んだ回数も4回。昨季も借金6ながら最下位に沈んだ。

オフには生え抜きのスター選手ザンダー・ボガーツがFAで移籍。黄金期を支えた選手がまた1人去り、チームが転換期に入っていることを感じさせた。

レッドソックスと長期契約のラファエル・デバース @Getty Images

ただ、26歳の若き主砲ラファエル・デバースとは10年契約の締結に成功し、またNPBからポスティングにかけられた29歳の吉田正尚を5年契約で獲得するなど、長期的な視点に立った補強は成功。

またサイ・ヤング賞2度のコリー・クルーバー、歴代8位の通算391セーブを誇る名守護神ケンリー・ジャンセンら、短期契約で獲得できるベテラン選手も獲得し、ある程度の戦力も整えた。

今季のレッドソックスは若手のブレイクに期待しつつ、あわよくばワイルドカードを狙うシーズンとなりそうだ。

《注目ポイント①》
今季のレッドソックスは前評判を覆し、ポストシーズンに出場することができるだろうか。

◆吉田正尚はデバースと共に打線の中心として期待がかかる。若手選手のブレイクも楽しみ。

長年ショートのレギュラーとして活躍したザンダー・ボガーツ、主に指名打者として打線の中軸を担ったJ.D.マルティネスが揃ってチームを去ったことなどで、今季の野手陣は、メンバーを大きく一新して迎える。

その中心は10年契約を結んだ若き主砲ラファエル・デバースだが、そのデバースに負けない高い期待を背負っているのが吉田正尚だ。

今季開幕戦での入場シーン 中央が吉田正尚 @Getty Images

5年9000万ドルと大型契約で迎え入れられた吉田だが、各種データサイトの予想でも打率3割前後、15〜20HR級の活躍を予想と、大型契約に恥じない成績を期待されている。立つ打席こそ右と左で異なるが、移籍したJ.D.マルティネスに代わる役割を担いたい。

昨季ホームラン後にダグアウトでチームメイトに祝われるカサス @Getty Images

また転換期を迎えるにあたって注目したいのが若手の成長だ。今季ファーストのレギュラーとして期待されるトリストン・カサスは、2021年の東京五輪でも来日し、大会最多の3HRを放った22歳のスラッガー候補だ。昨季はメジャーに初昇格すると、27試合で打率.197ながら5HRを記録し、大器の片鱗を見せた。初めてフルシーズンを迎える今季は何本のHRを放つだろうか。

《注目ポイント②》
吉田正尚は高い期待に応え、レッドソックスの中心打者となれるだろうか。

◆豪腕セールは復活を目指すシーズンに。守護神ジャンセンは大記録間近。

今季のレッドソックスの投手陣はベテランが中心の陣容となるが、その中で要注目なのは先発左腕のクリス・セールと、守護神を務めるケンリー・ジャンセンだ。

左)クリス・セール 右)守護神ケンリー・ジャンセン @Getty Images

セールは細身の身体からサイドスローで繰り出す豪速球とスライダーを武器に2010年代に大活躍した左腕だ。2016-17年のオフにトレードで加入すると、移籍初年度はいきなり防御率2.90で17勝、308奪三振と大活躍。翌年も規定未達ながら防御率2.11で12勝。ワールドシリーズの胴上げ投手にもなり、名実ともにレッドソックスのエースだった。

しかし、2020年にトミー・ジョン手術を受けて以降は故障続きで、昨季の登板はわずか2試合。一昨年も9登板に終わっており、直近3年間の登板数はわずか11だ。

そんなセールだが、今季は久々に元気な姿で開幕を迎える見込み。復活のシーズンとなるか注目したい。

ジャンセンは長年ドジャースの守護神を務めた右腕で、マイナー時代は捕手ながら強肩を買われ投手に転向した経緯を持つ。捕手時代に出場したWBCで座り投げで二塁への盗塁を刺すシーンは有名で、もしかしたら見たことがある方もいるかもしれない。

投手転向後は専らリリーフ投手を務め、2010年にメジャー初昇格を果たすと、2012年からはドジャースの守護神に定着。ドジャースの12年間で350セーブを記録すると、昨季はブレーブスに移籍。新チームでも守護神を務め、41セーブを挙げた。

そして今季からはレッドソックスに加入。過去に6人しか達成者がいない通算400セーブ達成はほぼ確実とみられるが、いつ達成するか注目だ。

《注目ポイント③》
豪腕セールは復活なるだろうか。ジャンセンの大記録の達成の瞬間も見逃せない。

と、ここまでの3つのポイントに注目して、今シーズンのレッドソックスを楽しんでほしい。

ちなみに、レッドソックスからは、下記の6名がWBCに出場していた。

日本:吉田正尚(外野手)
メキシコ:ジャレン・デュラン(外野手)、アレックス・バードゥーゴ(外野手)
プエルトリコ:キケ・ヘルナンデス(内野手/外野手)
ドミニカ共和国:ラファエル・デバース(内野手)
イスラエル:リチャード・ブライアー(救援)

© 株式会社SPOTV JAPAN