國峰啄磨、7番手から追い上げ。大逆転で優勝/2023全日本ロード第1戦もてぎ ST1000決勝

 4月2日、2023年MFJ全日本ロードレース選手権シリーズ 第1戦スーパーバイクレースinもてぎ ST1000クラスの決勝が栃木県のモビリティリゾートもてぎで行われ、國峰啄磨(TOHO Racing)が優勝を飾った。2位は國井勇輝(SDG Motor Sports RT HARC-PRO.)、3位は渡辺一馬(Astemo HondaDream SI Racing)となっている。

 全日本ロードレース選手権開幕戦ST1000は國峰啄磨(TOHO Racing)が優勝した。オープニングラップから激しいトップ争いを開始したのは國井勇輝(SDG Motor Sports RT HARC-PRO.)と高橋裕紀(JAPAN POST HondaDream TP)。ここに國峰が加わり、3台でのバトルが開始。ホールショットを奪った國井が首位をキープしたまま周回を重ねる。

2023全日本ロード第1戦もてぎ ST1000 決勝 トップ争い

 5周目。國峰がトップ浮上。國峰に次いで高橋裕紀も國井を捕らえて2番手浮上。國井は一気に3番手に後退。その間にセカンド集団の荒川晃大(MOTOBUM HONDA)、高橋巧(JAPAN POST HondaDream TP)、渡辺一馬(Astemo HondaDream SI Racing)、榎戸育寛(SDG Motor Sports RT HARC-PRO.)が追いつき、先頭集団は7台に。
 
 10周が終了するころからトップ集団がばらけてきた。首位キープの國峰の背後には國井がぴたりとつけ一騎打ちを挑み、高橋裕紀と渡辺一馬が熾烈な3位争い、高橋巧は単独5番手走行。荒川と榎戸は集団から離される。

 國峰は國井を従えたまま周回。高橋裕紀と渡辺一馬は順位を入れ替えながらのバトルを続ける。

2023全日本ロード第1戦もてぎ ST1000 フィニッシュシーン

 
 最終ラップ。國井が國峰に並びかける。しかし國峰は譲らない。そして國峰が開幕戦を制し、クラスデビュー戦の國井は僅差の2位。表彰台争いはディフェンディングチャンピオンの渡辺一馬に軍配が挙がった。

■國峰啄磨(TOHO Racing)ST1000 決勝:優勝
「金曜日に大きな転倒をして、バイクも違ったので自信がありませんでした。がむしゃらに、集中して走りました。朝のウオームアップ走行で國井勇輝選手と走って勉強して、どう走るかを考えました。決勝は自分の走りに集中するだけでした。その結果、勝てたからよかったです。このメンバーの中でトップに立って、最後までいけたから、めちゃくちゃうれしいです」

優勝した國峰啄磨(TOHO Racing)/2023全日本ロード第1戦もてぎ ST1000 決勝

■國井勇輝(SDG Motor Sports RT HARC-PRO.)ST1000 決勝:2位
「『負けました!』っていう感じです。初レースということもあって、どう組み立てればいいのかも分からず、レース序盤は思ったよりもうまく走れませんでした。抜かれてからは冷静になって、後ろから勝負ポイントを探りながら周回を重ねたら自分も苦しくなりました。最後はV字しかないと思いましたが、大きなバイクでのバトル経験が不足していたのでバトル負けしました。この経験は次につながると思います」

■渡辺一馬(Astemo HondaDream SI Racing)ST1000 決勝:3位
「今年は3連覇を目指すにあたって進化しようと、変更をしています。走り方もいろいろトライしているなかで、開幕戦までにうまくまとめきれなかったです。去年は一年を通してテストも含めて一回も転倒をしなかったのに、今年はテストで続けて転倒してしまいました。昨日もタイムがよくなかったから、厳しいレースになるだろうと思っていました。スタートも失敗したのですが、自分の持ち味は中盤から終盤。それを使って、しっかり追い上げられました。勝てなかったのは悔しいけれど、最低限の仕事はできたと思います」

2023全日本ロード第1戦もてぎ ST1000 決勝 表彰式

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