緒方町の原尻橋、完成から100年 地元有志が記念式典、先人に感謝【大分県】

完成から100年を迎えた原尻橋=豊後大野市緒方町原尻
100周年記念式典を開いた実行委のメンバーら

 【豊後大野】豊後大野市緒方町原尻の石橋「原尻橋」が完成から100年を迎えた。原尻の滝の約500メートル上流にある長さ73メートル、幅4メートルの5連式アーチ橋で、1922年11月の緒方駅開業に合わせて建設された。地元有志でつくる実行委員会(後藤恒雄会長)が記念式典を開き、丈夫な石橋を造ってくれた先人に感謝した。

 実行委や市によると、町内の尾平鉱山などで採掘したスズや銅をトラックで駅まで運搬するのに頑丈な橋が必要とされ、23年5月に完成。同様の理由で、22~24年には市内各地で多くの石橋が建設されたという。

 橋のたもとで3月に神事があり、祝詞を上げて100年間の無事を祝った後、近くの原尻ゲートボール場に移動して式典。集まった住民ら約100人を前に、来賓の川野文敏市長らが「地域の資源、財産を大切にしてきた皆さんに感謝する」と述べた。

 市資料館の後藤祥主幹(49)の記念講演もあり、建設当時、原尻橋を通るルートは竹田と三重や臼杵などを結ぶ幹線道路で以前の木橋は大雨のたびに流されていたことを説明。「あるのが当たり前の景観になっているが、この機会に橋の素晴らしさをかみしめてほしい」と呼びかけた。

 後藤会長(70)は「100年間も大水に耐えることができ、昔の建築技術にはすごさを感じる。これからも50年、100年と保たれるよう維持、管理を続けていきたい」と話した。

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