「1.5倍」で守るサイバー空間…埼玉県警、1日から「サイバー局」新設 対策、捜査両面で手口の複雑化に対応

サイバー犯罪、手口の複雑化に対応

 埼玉県警が2022年に受理したサイバー犯罪に関する相談件数は、前年比3107件増の1万4961件で、過去最多に上ったことが、県警のまとめで分かった。1万件を超えたのは昨年に続き2年連続。ネットショッピングの利用者数増などの要因で詐欺や悪質商法に関する相談が最も多かった。県警は4月からサイバー局を新設し、被害防止対策と取り締まりの強化に乗り出す。

 サイバー犯罪は消費者個人を対象としたものだけではなく、企業などの団体を標的とした犯罪も深刻化。手口も複雑化しており、県警は新組織を編成して対応する。

 県警サイバー犯罪対策課によると、特に多いのはパソコンなどに保存されているデータを暗号化して使用できなくした上で、復旧の対価として金銭を要求する不正プログラム「ランサムウエア」に関する相談。昨年1年間で11件寄せられ、中には特定のネットワークに侵入してデータを盗み、身代金を支払わないとデータを公開する旨の脅迫手口も確認されている。

 増加し続けるサイバー空間上における犯罪の対策を強化するため、県警は4月1日から、サイバー局を新設する。これまでサイバー犯罪を取り扱っていたサイバー犯罪対策課の69人体制から、101人に強化。局内にサイバー対策課とサイバー捜査課を設け、捜査課内にはランサムウエアの対応など高度で専門的な知識、技術を持つサイバー特別捜査隊を置く。

 県警は「体制が強化され、対策と捜査の両面で安全なサイバー空間の実現に取り組む」としている。

© 株式会社埼玉新聞社