満開の下、舌戦熱く 激戦鹿沼で各党代表が応援 栃木県議選サンデー

花見客に支持を呼びかける候補者(右)=2日午前、鹿沼市栄町1丁目

 栃木県議選の選挙運動期間中で唯一の日曜日となった2日、各候補者は商業施設や祭り会場などに繰り出し、有権者に支持を訴えた。同じ顔ぶれで3度目の戦いとなる鹿沼市選挙区では、与野党の県内代表も訪れ舌戦は熱を帯びた。県都の宇都宮市内でも、買い物客や家族連れでにぎわう場所で候補者がマイクを握り、投票を呼びかけた。

 鹿沼市選挙区(定数3)は、現職で自民、立憲民主両党の県連幹部と無所属現職、前回敗れた自民元職の4人が争う。この日は東部台地区で開かれた桜祭りに4人が代わる代わる訪れ、花見客に握手して回った。自民県連会長の茂木敏充(もてぎとしみつ)党幹事長と立民県連代表の福田昭夫(ふくだあきお)衆院議員も、公認候補の応援に駆け付けた。

 2期目を目指す無所属の湯澤英之(ゆざわひでゆき)氏(53)は、地元の千渡自治会館前で演説。4人のうち最年少で「若さで市の発展に向け頑張る」とアピール。「1人会派で活動した4年間を肥やしに、皆さんの生活の安心を取り戻す」と力を込めた。

 返り咲きを狙う自民元職の神谷幸伸(かみやゆきのぶ)氏(69)は、選挙事務所での演説会で「陳情という地方議員の仕事を全うすれば鹿沼はもっと変われる。もう一度、鹿沼の暮らしと経済を守りたい」と訴え、5期20年の実績や国とのパイプを強調した。

 立民現職で県連幹事長の松井正一(まついしょういち)氏(57)は商業施設や住宅街で「市民からのボトムアップ型で政策を練り上げてきた」と主張。4回連続のトップ当選を狙う一方「『松井は大丈夫』という声があるが悪魔のささやきだ」と警戒した。

 自民現職の小林幹夫(こばやしみきお)氏(69)は市中心部の飲食店駐車場で演説。「この世界では経験がものをいうし、人脈が意味をなす」と県連政調会長としての実績などを強調し、「鹿沼を変えるため力を貸してください」と呼びかけた。

 定数13に対し、16人が立候補した宇都宮市・上三川町選挙区では、現職候補が東武宇都宮駅前で演説した。オリオン通りを練り歩いて買い物客に支持を求めたほか、各地区の桜祭り会場などに顔を出し「次の4年間も任せてほしい」と声を上げた。

 新人候補は商業施設が集まるインターパーク地区などで演説し、学生や親子連れらに手を振りながら、少子化対策や介護問題を中心に政策を訴えた。候補の1人は「私は若くて体力もある」とフレッシュさを前面に押し出していた。

© 株式会社下野新聞社