平田オリザさん、中学校で演劇取り入れた授業 「面白い掛け合い心がけ」表現の幅広げる

自分たちでアレンジした演劇に取り組む生徒たち(宮津市万年・宮津中)

 京都府宮津市が2023年度から演劇の手法を取り入れた授業を始めるのを前に、同市万年の宮津中で16日、プレ授業が実施された。劇作家で芸術文化観光専門職大(兵庫県豊岡市)学長の平田オリザさん(60)が講師を務め、演劇を通じた表現の幅の広げ方を伝えた。

 与えられた台本を生徒たちが話し合ってアレンジしたり、いろいろな役柄を演じたりすることで、他人の意見や他者の気持ちを理解し、多様な価値観を育むのが目的。23年度は宮津小と宮津中をモデル校に、平田さんらが指導する。

 台本は、先生が長野県から来た転校生を生徒たちに紹介し、生徒たちが転校生に趣味や好きな教科を質問するといった内容。平田さんは「転校生の出身や名前、セリフはどんどん代えてください」「うまくうそをついて、面白くしてください」と助言した。

 生徒たちは6人ずつのグループに分かれ、20分間で話し合いと稽古を行い、演劇を披露した。転校生の出身地をアメリカに代えたり、先生が生徒を叱る演出を盛り込んだりし、工夫を凝らしていた。生徒役を演じた男子生徒(13)は「面白い掛け合いを心がけました。うそを本当のように語るのが難しかった」と振り返った。

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