スーパーGT、GT300クラスのカーボンニュートラルフューエル導入を第3戦鈴鹿に延期と発表

 4月3日、スーパーGTをプロモートするGTアソシエイションは、2023年から導入を予定しているカーボンニュートラルフューエル(CNF)について、GT500クラスは当初予定どおり第1戦岡山から導入するものの、GT300クラスでは第3戦鈴鹿から導入すると発表した。

 スーパーGTでは、2030年にシリーズ全体のCO2排出量50パーセント削減を目指す環境対応ロードマップ『スーパーGTグリーンプロジェクト2030』を発表し、このなかでまずはシリーズ全体のカーボンニュートラル化を推進すべく、2023年からGT500/GT300両クラスで、ドイツのハルターマン・カーレス社製のバイオマス由来非化石燃料『ETSレーシング・フューエル』の導入が進められてきた。

 当初、2022年第5戦鈴鹿の後にCNF燃料を使用したテストが予定されていたが、ウクライナ情勢などの世界情勢の影響もあり到着が遅れ、2022年第8戦もてぎの決勝日翌日となった11月7日にテストを実施。ここでGT500、GT300の複数車両がテストを行った。

 その後2023年シーズンに向けては、オートスポーツwebの調べではGT500メーカーテストでは一部の車両がCNF燃料を使用したものの、燃料の到着遅れにより、多くの車両は通常の燃料でのテストを行ってきた。またGT300も同様で、オフの特別スポーツ走行等では通常燃料を使用している。

 全車がCNF燃料を使いはじめたのは3月11〜12日の岡山公式テストからだったが、GT500ではパワーダウンを訴える声もあったものの、ベンチテスト等が各メーカーでこなされてきたこともあり、さらなるパフォーマンス向上については今シーズンを通しての課題としながらも、CNF燃料使用の走行自体についての問題は聞こえてこなかった。

 ただ一方で、多種多様なエンジン形式の車両が参加するGT300では、一部のターボ車など、トラブルというほどではないが、CNF燃料を使用したことにより通常燃料では起きない事象も起きていた。なお、岡山での状況もあり、3月25〜26日の富士公式テストでは一部GT300車両が通常燃料で走行している。

 4月3日にGTアソシエイションから発表された内容によれば、岡山、富士での公式テストの状況を鑑み、GT500では第1戦岡山から当初の予定どおり導入するものの、GT300では導入時期を6月の第3戦鈴鹿まで延期することになった。

 この理由については、プレスリリース内で「製造者・車種・エンジン型式等が多岐にわたり、対応に時間を要しているため、導入に向けた準備期間を延長」とされているとおり、GT300車種のCNF燃料に対するエンジンの適合に向けた対応に時間を要しているためで、2022年から23年開幕までの世界情勢により、CNF燃料への準備と確認の時間が十分にとれなかったことが要因だ。

 とはいえ、第3戦以降はGT300でもCNF燃料が使用されるのは間違いない。シリーズ全体のカーボンニュートラル化という、注目を集める大きな目標に向けて、今後各メーカーでの適合が進められていくことになる。

2023スーパーGT岡山公式テスト 今季から使用されるカーボンニュートラルフューエルのETSレーシングフューエル

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