バレーボール女子の日本代表として2016年リオデジャネイロ、21年東京の両五輪に出場した倉敷市出身のレフト石井優希(31)が今季限りで現役を引退することが決まった。所属の久光が3日に発表した。8日から始まるV1のプレーオフが最後の試合となる。
倉敷・茶屋町小2年で競技を始めた石井は、東陽中、就実高を経て10年に久光製薬(現久光)に入団。180センチの長身を生かした打点の高いアタックや安定感のある守備で主力に定着し、17~18年シーズンはリーグの最高殊勲選手賞に輝いた。V1で2季連続の日本一を狙う13年目の今季はレギュラーラウンド33試合中27試合に出場し、プレーオフ進出に貢献した。11年に初選出された代表でも長く中心選手として活躍した。
久光は「ファンの方々に最後までやりきる姿を見てもらいたいと考え、このタイミングでの公表となった」と説明。引退会見を行うかなどは現時点で未定という。
ねぎらいの声 関係者から相次ぐ
石井の現役引退が明らかになった3日、岡山県内の関係者からはねぎらいの声が相次いだ。
「大きなけがをせず、よく頑張ったねと伝えた」と話すのは就実高時代に指導した元監督の藤原恒子さん(70)。1週間前に帰岡した本人から直接報告を受けたという。
社会人2年目の2011年に日本代表入り。攻守のバランスに優れたオールラウンダーとして活躍し、五輪には2大会連続で出場した。リオ大会でともに日の丸を背負った岡山シーガルズのセッター宮下遥(28)は「年齢が近く悩みを相談し合ったり、励まし合ったりしたこともあった。プレーの小さな変化にも気付く気遣いの人だった」と引退を惜しんだ。
岡山のジュニア選手にとっても憧れの存在だった。岡山県バレーボール協会の竹内雅一理事長(61)は「(引退後)可能なら岡山のバレーボール人気の向上に力を貸してもらいたい」。
8日に開幕するV1のプレーオフが現役最後の晴れ舞台となる。母・美智子さん(60)は「Vリーガーとして第一線でやってきた13年間の思いと最後の力を振り絞り、(22日の)決勝まで勝ち上がってほしい」とまな娘の有終の美を願った。