交通をもっと便利に 上富田町が予約制乗り合いバス

デマンド型コミュニティバスに使用する車両(和歌山県上富田町朝来で)

 和歌山県上富田町は10日から、予約制の乗り合いバス「デマンド型コミュニティバス」(定員14人、2台)の正式運行を始める。乗り降りしたいポイントと希望する時間の便を選んでバスに乗ることができる。既存の定時定路線型バスと併せて運行する。対象は町民のみで、利用には事前の登録が必要。

 デマンド型バスは、利用者の予約に応じて運行する仕組み。従来の定時定路線型バス利用者が近年減少していたことに加え、「乗り継ぎが不便」「バス停が遠い」「希望の時間の便がない」などの意見が多かったことから導入を決めた。定時定路線型バスについては、細かな道を走る「支線コース」を廃止し、地区間をつなぐ「本線コース」を残してダイヤを改正する。

 導入に向けて、昨年10月と11月に試験運行を実施して利用状況を分析した。利用した計446人のうち、アンケートに回答した60人の9割(54人)が「良い」「とても良い」と評価。「自分の時間に合わせて利用できて便利」「1人で買い物に行ける喜びは大きい」といった意見や、「アプリなどで予約や空き状況を確認できればいい」との要望が寄せられたという。

 今月からの正式運行では、町内の186カ所と田辺市の紀南病院、南和歌山医療センターを乗降ポイントとして設定。午前8時~午後4時の間、30分ごとに計16便を運行する。予約に応じ、利用者それぞれの乗降ポイントを巡る。土、日曜と祝日、年末年始は運休する。

 利用する際は、登録した上で、乗りたい便を予約してもらう。予約の受け付けは5日から始める。料金は大人200円、小学生以下と70歳以上は100円。バスを運行する「明光バス」(白浜町)の専用受付センター(0739.33.2078)で午前9時半~午後5時に受け付ける。

 登録は、町役場などで手に入る申込書に必要事項を記入して、町振興課の企画・商工観光班に郵送・持参するか、ファクス(0739.47.4005)で送ればよい。

 町振興課の担当者は「デマンド型を運行する方が利用率の増加につながり、効率的にバスを運行できると考えている。特に高齢者から便利で利用しやすいと好評を得ており、今後は見つかった課題について検討を重ね、より良い公共交通の整備につなげていきたい」と話している。

 問い合わせは、町振興課(0739.34.2370)へ。

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