福井県立恐竜博物館…休館中は何してる? 今夏リニューアルオープン向けた一部作業を公開

姿勢などを見直して移設されたタルボサウルスの複製全身骨格化石=3月28日、勝山市の福井県立恐竜博物館

 福井県立恐竜博物館(勝山市)は今年夏のリニューアルオープンに向け、常設展示の更新作業を進めている。3月28日は報道機関向けに、ティラノサウルス類の肉食恐竜「タルボサウルス」の複製全身骨格化石を移設する作業を公開。移設前と比べて姿勢などを見直し、獲物を狙うような躍動感あふれる姿に組み上げられた。

 公開されたのは卵形の外観が特長のメーン展示室「恐竜ホール」1階で進む作業。タルボサウルスは白亜紀後期(約7千万年前)のモンゴルや中国に生息したアジア最大の肉食恐竜で、同館の複製全身骨格化石は全長約10メートルある。これまでは東側の壁面近くに展示していたが、中央部のティラノサウルスロボットの向かって左側に移設した。

 右側には同時代の草食恐竜「サウロロフス」を配置する計画で、タルボサウルスの姿勢はサウロロフスに襲いかかる場面を想定。従来より鼻先を低く前傾にしたほか、右後ろ足を蹴り上げた瞬間を再現するなど躍動的にした。同博物館は「(中央部は)来場者が展示室に入って最初に見る場所になる。ロボットとともに強烈な第一印象を与えたい」とする。

 姿勢の修正に合わせて、最新の研究成果などを反映。胴部分の背骨の数を11から13に増やしたほか、後方に配置していた長めの肋骨(ろっこつ)を前側に移動させるなどした。

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 リニューアルに際して常設展示は、全身骨格化石を従来の44体から50体に増やす予定。竹内利寿館長は「展示の更新に加え、新たな建物の整備や運営の準備などは順調に進んでいる。恐竜ファンには今年の夏を楽しみにしてもらいたい」と話した。

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