賛意明言していないけど…馬毛島基地整備で西之表市へ20億円 23年度・米軍再編交付金 昨年度の7億円からほぼ3倍増

馬毛島

 防衛省は3日、鹿児島県西之表市馬毛島への米軍機訓練移転と自衛隊基地整備に伴い、種子島1市2町に通知した2023年度分の米軍再編交付金が計28億3200万円になると発表した。馬毛島では1月以降、滑走路や港湾施設など本格的な整備が始まっており、昨年度分の計10億6200万円を大きく上回った。

 内訳は西之表市に20億7200万円、中種子町5億1800万円、南種子町2億4200万円。西之表の八板俊輔市長は計画への賛意を明言していない。ただ市は既に23年度当初予算で、交付金を見込んだ市営グラウンド整備など45事業を盛り込んでいる。同市は昨年度7億7700万円交付された。

 再編交付金は防衛施設の面積や整備状況などに基づき算定する。自治体側は幅広い事業に充てられる半面、首長の反対などで受け入れが進まなければ国の判断で減額・停止できる。

 23年度は沖縄県名護市など全国12市町村8施設に計54億9400万円の交付を見込む。海上自衛隊鹿屋航空基地(鹿屋飛行場)で米軍KC130空中給油機訓練を受け入れる鹿屋市は2億2800万円となった。

 このほか再編関連訓練移転等交付金として、昨年11月の日米共同統合演習「キーン・ソード」で米軍輸送機オスプレイが訓練した奄美市と伊仙町に、それぞれ2400万円を通知した。鹿屋市で昨年11月に始まった米軍無人機MQ9の一時展開では、同市への特定防衛施設周辺整備調整交付金が増額されるとみられる。

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