3月28日に死去した音楽家、坂本龍一さんは生前、富山県高岡市内免の神仏具制作卸、山口久乗のおりんを手元に置いてその音色を聴いていた。雑誌で知った山口敏雄会長(78)が2月に手紙を送ると、坂本さんからメッセージとCDが届いた。山口会長は「大変な体調の中での心遣いに感謝している。胸がいっぱい」と話し、哀悼の意をささげた。
山口会長は雑誌の特集で、坂本さんが病室に持ち込める小さな楽器として、高岡銅器の直径4.5センチのおりん「おともりん」を愛用していることを知った。
感激して2月3日に感謝を伝える手紙と別のおりん「てのりん」を送ると、坂本さんから同月24日、「とても美しい音です」というメッセージカードとサイン入りのCDアルバム「12」が届いた。
山口会長は「音に敏感な坂本さんに美しい音と言ってもらえてうれしい。いい音を忘れずに作っていけよと応援してもらったような気がする」と語った。