鎧兜の変遷をたどる 大分市歴史資料館、珍しい分解展示も【大分県】

当世具足などを展示している=大分市国分の市歴史資料館
精巧な作りを知ってもらおうと鎧を分解して展示している
鎧を分解して展示

 【大分】古墳から江戸時代までの鎧兜(よろいかぶと)の変遷を伝える展示が大分市国分の市歴史資料館で開かれている。5月7日まで。

 鎧は稲作が広まった弥生時代に作られた木製が始まりとされる。兜は古墳時代に鎧と組み合わせた防具として、鉄製になった。所蔵品を中心に33点を展示した。

 第1章では豊後高田市の岬古墳から出土した「短甲(たんこう)」と呼ばれる鉄製の甲冑(かっちゅう)などを展示。体の胴体を守る防具で、鉄板を革ひもでとじる技法を用いている。第2章は「中世の鎧と兜」。平安時代から室町時代までの鎧や兜の歴史を紹介。戦が激しかった当時の武具は現存する物が少ないという。時代が下るに連れて戦の主流は騎馬から徒歩に変化。重厚な鎧から身軽に動ける腹巻きなどが主流になった。

 第3章では江戸時代の当世具足を展示。実用的な防具から家格を象徴する威厳や装飾を重視するようになった。大分市の松栄神社の兜には、府内藩大給(おぎゅう)松平家の釘抜紋(くぎぬきもん)がある。格式が高い甲冑であることを示している。第4章では当世具足を分解して展示。顔を守る面頬(めんぽお)や腕を守るこて、脚を守るはいだてなど部分ごとに紹介。「分解した状態での展示は珍しい」と担当者。

 同館は「鎧兜は作りの精巧さから美術工芸品として世界的に注目されている。技術力の高さにも注目してほしい」と話している。

 観覧料は大人210円、高校生100円、中学生以下は無料。問い合わせは大分市歴史資料館(097.549.0880)。

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