坂本龍一さん訃報に福井県からも惜しむ声 「ラストエンペラー」上映中の映画館に哀悼コーナー、「戦場のメリークリスマス」ポスターも

坂本龍一さんを悼み、福井メトロ劇場に設けられた映画ポスターのコーナー=4月3日、福井県福井市順化1丁目

 音楽家坂本龍一さんの訃報を受け、坂本さんが音楽を担当した映画「ラストエンペラー」を上映中の福井県福井市の福井メトロ劇場では4月3日、観客から「坂本さんが音楽に携わった映画をもっと見たかった」などと惜しむ声が聞かれた。劇場の一角には、坂本さんが音楽を担当した映画のポスターを展示し哀悼するコーナーが設けられた。

 ラストエンペラーは、坂本さんが1988年に日本人初の米アカデミー作曲賞に輝いた作品。福井メトロ劇場は新作に限らず国内外の名作も定期的に上映しており、1日から同作品を上映していた。3日は平日午前にもかかわらず、50、60代を中心に約20人の観客が訪れた。

 訃報を聞いて駆け付けたという福井市の女性(55)は「坂本さんは音楽家としても役者としても好き。映画のストーリーに加え、(坂本さんの)訃報もあり(上映中は)涙があふれた。ご病気だとは聞いていたが亡くなるなんて」と感極まった様子。坂井市の60代男性は「音楽が壮大でこの作品を引き立てている。公開当時も鑑賞していたので(坂本さんの訃報は)なおさらさみしい」と惜しんだ。

 同劇場では3日からラストエンペラーと、坂本さんが出演し音楽も担当した「戦場のメリークリスマス」のポスターを展示した。根岸佳代支配人は「ラストエンペラーは坂本さんの音楽家としての評価を世界的に不動のものにした作品。ぜひ多くの人にご覧いただきたい」と話している。ラストエンペラーの上映は7日まで。

© 株式会社福井新聞社