33年に一度の御開扉 国指定重文の「秘仏」 コロナ禍で2年延期も/岡山・美作市

岡山県美作市林野の安養寺で2日、33年に一度、公開される国指定重要文化財「十一面観世音菩薩立像」の御開扉(かいひ)があり、大勢の人たちが「秘仏」を参拝した。コロナ禍のため2年延期していたため、35年ぶりとなった。

頭部に11の顔を持つ菩薩像は、総高1085㍉の立像でヒノキの寄木造り。天台宗の僧・恵心僧都(942〜1017)の作と伝えられている。妙知、除病、減罪の御利益があるとされ、古来、厚い信仰を集めてきた。約800年続く同市無形文化財の裸祭り「安養寺会陽」では、観音堂の福窓から真木が投入される。

御開扉法要は真言宗27寺の僧侶が執り行い、檀信徒ら約200人が参列した。記念式典で横田弘雲住職(60)が「前回の御開扉は昭和63年(1988)。我々を救済するためにいつもそばにいるありがたい仏様。満開の桜の下でお迎えできたのもおかげさまだと思う」と述べていた。

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