ライター・夏森アキラの選挙漫遊記~桜を楽しむ春の選挙漫遊!大阪府知事選挙・大阪市長選挙の旅~(下)

ライター・夏森アキラが行く選挙漫遊の旅!今回は(下)です。

(上)はこちら→ライター・夏森アキラの選挙漫遊記~桜を楽しむ春の選挙漫遊!大阪府知事選挙・大阪市長選挙の旅~(上)

2023年4月9日投開票の大阪府知事選挙大阪市長選挙の立候補者は以下の通りです。

大阪府知事選挙 立候補者
谷口 真由美(無所属・アップデートおおさかが擁立)
吉野 敏明(参政党)
辰巳 孝太郎(共産党推薦)
吉村 洋文(現職・大阪維新の会)
稲垣 秀哉(新党くにもり)
佐藤 さやか(政治家女子48党)

大阪市長選挙 立候補者
横山 英幸(大阪維新の会)
北野 妙子(無所属・アップデートおおさかが擁立)
荒巻 靖彦(無所属)
ネペンサ(無所属)
山崎 敏彦(無所属)

(いずれも届け出順・敬称略)

子どもにも大人にも愛されるアイドル候補

選挙漫遊2日目。前日のスケジュールが合わず会えなかった候補者に会いに行きます。この日のスタートは知事候補の辰巳氏。

辰巳氏は昨年の参院選で演説を聞きに行った時に、高校生と思しき女性3人が「あ、コータローじゃん」と街中で同級生にあったかのようなセリフを発して通り過ぎていったのが私の中で強く記憶に残っている候補です。投票権を持たない層に、なぜここまで浸透しているのかという疑問を解決すべく現場に向かいます。

到着した私の目に飛び込んできたのは、アイドルのコンサートに持ち込むようなうちわで辰巳氏を応援する支援者の姿。

後ろからでもうっすらと「コ」「ー」「タ」「ロ」「ー」の文字が見えます。支持者の熱量がすごい。

そして辰巳氏は選挙カーの上ではなく地上で演説を始めます。

写真の手前側は公園で、辰巳氏が演説する横を普通に人が通っていきます。そのうち何人かの子どもが物珍しそうに足を止めると、辰巳氏は演説を止めて子どもたちとグータッチ。「ありがとう!」と声をかけて見送ります。

きっと辰巳氏は子どもたちとこういうコミュニケーションを何年も続けたのではないでしょうか。それが昨年の参院選で見た光景に繋がっているのだと感じました。名前が子どもにも読みやすいひらがなとカタカナ表記というのもポイントなのかもしれません。

最後はグータッチで聴衆に挨拶。遠巻きに見ていた子どものところまで駆けよってグータッチしている姿が印象的でした。

辰巳氏の演説会場を後にして大阪城公園駅へ。大阪城の周辺は桜が満開でした。

聴衆の数と反応でわかる圧倒的知名度

最後に現職の吉村知事と市長候補の横山氏に会いに梅田へ向かいます。土曜日という日取りに加え、この日は引退が決まっている松井一郎市長も来ることがわかっていたので、たくさん人が集まるだろうと思っていました。思っていましたが、ここまでとは。

道路のこちら側、候補の背後となる道路の向こう側、デッキの上にも多くの人が集まっています。

大阪維新の会と言えば明るいグリーンがイメージカラーですが、横山氏は白いジャンパーを着用。あえて違う色にすることで顔を覚えてもらう作戦なのかもしれません。

演説は最初に横山氏、次に松井氏と続き、松井氏の演説の途中で吉村氏が登場。するとスマホを構える人と手を振る人の数が一気に増え、吉村氏の人気の高さがうかがえました。途中で通った二階建てバスの乗客も手を振ったりスマホで撮影したりしていました。

印象的だったのは松井氏が選挙カーを降りる時のこと。吉村氏が松井氏に労いの言葉をかけたり「あと1週間だから」「落ちないでね」とおじいちゃん扱いしたりする様子に、知事と市長のポジションを入れ替えつつ二人三脚で大阪行政に取り組んできた2人の信頼関係が見えた気がしました。

2日間の選挙漫遊の後はお気に入りのラーメン屋さんへ。歩き回って疲れた体にアブラがしみわたります。ラーメンに始まり、ラーメンに終わる選挙漫遊でした。

選挙漫遊には学びも遊びも詰まったエンターテイメント

今回の大阪ダブル選挙の選挙漫遊では、争点であるIRの問題について賛成派と反対派の両方の意見を直接聞くことで理解が深まりました。

また、「維新対反維新」の対立構図がはっきりしていることで演説の中にお互いの批判が織りまぜられており、1人の候補を複数の視点で見ることができたことも勉強になりました。

「政治や選挙についてもっと知りたいけど、どこから始めればいいか分からない」と感じているのなら街頭演説を見に行くのがおすすめです。本や新聞・ニュースで勉強するより手っ取り早く、楽しみながら政治を学ぶことができます。

街頭演説の日程は候補者や所属団体のSNSやホームページに掲載されています。SNSはTwitterがおすすめです。前日の21時から22時くらいに発表されることが多いので、その時間を狙って調べて計画を立てます。修学旅行の計画を立てる作業に似ている気がして、この時間も私は楽しんでいます。

統一地方選挙は全国の地方選挙の約4分の1が一斉に行われる、いわば選挙のお祭りです。地元の選挙でも良し、投票権のない注目選挙でも良し。気の向くまま選挙漫遊の旅に出てみてはいかがでしょうか。

「もっと統一地方選挙について詳しく知りたい!」という方は選挙ドットコムの特設ページをご覧ください。

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