「千歳山観音道」に案内看板を設置、「平和への祈りがこもった道を巡って」 京都・福知山

千歳山観音道の案内板を設置した守る会の芦田副代表(右)と和田さん=福知山市多保市・大池公園

 京都府福知山市六人部地区の千歳山の登山道に33体の観音石像が並ぶ「千歳山観音道」を説明する案内板を、登山道の保全に努める「千歳山観音道を守る会」が製作し、出入り口2カ所に設置した。副代表の芦田八郎さん(73)=同市多保市=は「サクラやツツジなどの自然を楽しみながら、平和への祈りが込められた道を巡ってほしい」と話している。

 観音道は千歳山(標高198メートル)の東西の麓にある来迎院(同市池田)と善光寺(同市多保市)を結ぶ約3キロの登山道。日清戦争の勝利と出征兵士が無事に帰還したことを記念し、地元住民が1898(明治31)年に高さ約50センチの観音石像33体を並べたという。

 案内板は木製で縦約1.7メートル、横約1メートル。来迎院の住職朝倉泰寛さん(49)と元小学校長の和田道治さん(86)=多保市=が、板に筆で観音道の由来を手書きした。六人部地区を一望できるスポットや観音像の位置を示した地図も貼り付けた。

 守る会が登山者用に作成したロードマップも人気で、このほど5千枚を追加し来迎院と善光寺、JR福知山駅前の観光案内所などで無料配布している。

 守る会は4月8日午前10時から、来迎院を拠点に千歳山を登り観音道の歴史を学ぶ催しを開催する。参加費500円。問い合わせは来迎院まで0773(35)0153。

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