川崎、待機児童6人 2年連続のゼロならず

 川崎市は6日、4月1日現在の市内の保育所待機児童数が6人だったと発表した。全員が再開発の進む武蔵小杉駅周辺など中原区だった。2016年度の認可保育所の利用申請者数が昨年度を2312人上回る2万7576人と過去最多を更新。市は受け入れ枠1870人分を増加し過去最大の2万4739人としたが追いつかなかった。2年連続の待機児童ゼロとはならなかった。

 市は、想定を上回る申請増について▽若い世代の転入増で就学前児童が増加▽保育所への申請率が大規模マンション(13%超)は一般住宅(10・5%)に比べ高い▽保育需要の高い地域ほど、地価高騰などで保育事業者の参入が抑えられている−などを挙げた。

 6人の待機児童を年齢別でみると、0歳児が2人、1歳児4人。

 待機児童数は、市が助成する川崎認定保育園に入ったり、育児休暇を延長したケースは算定から除外している。こうした希望する認可保育所に入れない「保留児童」は前年比323人増の2554人に上った。

 待機児童解消を公約に掲げる福田紀彦市長は会見で「非常に残念。『子育てしやすいまちかわさき』の実現へ、さらに工夫を加えて取り組んでいきたい」と述べ、子ども・子育て支援事業計画(15〜19年度)の保育所整備数を来年度に見直すことに言及した。

 市は本年度、1875人分の受け入れ枠拡大を図るほか、法人の保育士確保を支えるため保育士宿舎借り上げ費の一部補助を始めた。また、大型マンションの開発事業者に対し、保育所設置もしくは協力金の拠出を求める制度を創設する予定だ。

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