「地元から最高の評価得られた」 バレエダンサー厚地さんに宇都宮エスペール賞

受賞した厚地さん(右)

 【宇都宮】市は若手芸術家を支援する第16回「宇都宮エスペール賞」に市出身のバレエダンサー厚地康雄(あつぢやすお)さん(37)=東京都世田谷区在住=を選出し、市役所で29日、表彰式を行った。

 本年度は音楽や演劇などの「ホール部門」を募集し、6人の応募があった。選考委員長の水越久夫(みずこしひさお)県交響楽団理事長は「海外トップレベルで活躍する実績とバレエダンサーとしてさらなる飛躍が期待できる」などと選出理由を説明した。

 厚地さんは5歳から市内の石原千代(いしはらちよ)バレエスクールで学んだ。2003年に英国ロイヤルバレエスクールに留学し、06年に英国バーミンガムロイヤルバレエ団に入団。18年には同団日本人男性初のプリンシパル(最高位)に昇格し、186センチの長身を生かした力強い踊りと多彩な役柄の演じ分けを武器に活躍。22年に退団し、現在は都内を拠点に活動している。

 佐藤栄一(さとうえいいち)市長から賞状と育成金(200万円)の目録を受け取った厚地さんは「地元から最高の評価を得られた。周りの人への恩返しになればうれしい。経験を生かし、人の心を動かすような舞台を作っていきたい」と声を弾ませた。厚地さんは7月、県総合文化センターで石原千代バレエスクール発表会に出演する。25年夏ごろ、市文化会館で受賞記念公演を計画している。

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