アダストリア純利益53%増 2月期決算 主力ブランド好調

カジュアル衣料雑貨販売のアダストリア(水戸市、木村治社長)が4日発表した2023年2月期連結決算は、売上高が前期比20.3%増の2425億5200万円と過去最高に上り、純利益は同53.3%増の75億4千万円だった。新型コロナウイルスの影響が和らぐ下で、外出需要を捉えた商品展開やテレビCMを活用した販促などが奏功した。春夏シーズンにおいて天候に恵まれた外的要因も追い風となった。

人流の増加を受けグローバルワークを筆頭に主力ブランドが好調。季節ごとに流行を取り入れたカジュアルファッションにこだわり、売り上げを押し上げた。木村社長は同日オンラインで開かれた決算説明会で、先月にグローバルワークに関連した新業態「スマイルシードストア」を始めたことに触れ、「まだまだ成長の余地がある」とし、今期以降も主力ブランドの躍進を見込む。

利益面では、円安や原材料価格上昇の影響を受けたものの、在庫管理や商品の高付加価値化、適切な価格転嫁を進め前期から大幅に改善した。

ウェブ事業では、今年1月に不正アクセスにより同社公式ウェブストアの運用を一時停止させた。売上高約20億円の逸失となった一方、会員数は前期末から約190万人増の約1550万人に上り、国内での電子商取引(EC)売上高が前期比8.9%増の626億円と、業績に寄与した。

24年2月期の連結業績予想は売上高2600億円、純利益94億円を見込む。

© 株式会社茨城新聞社