【追う!マイ・カナガワ】花で伝える「ありがとう」 横浜・金沢区に根付く植栽活動

チューリップを届けた新井智希君(左)と小野蒼太さん(中央)、受け取った鈴木和美さん=横浜市金沢区

 チューリップに感謝の気持ちを添えて-。神奈川新聞社の「追う! マイ・カナガワ取材班」がきっかけとなって始まった横浜市金沢区の植栽で、地域交流が進んでいる。子どもたち26人がチューリップを京急線能見台駅近くの店舗などに届けて回った。「お仕事頑張ってください」といった言葉に、笑顔が広がった。

 3月27日、地元のYMCAマナ保育園をこの春卒園した11人と横浜市立西柴中学校水泳部の15人が集まり、商店や病院、郵便局など14カ所を訪れた。

 新井智希君(6)が「いつもおいしいお菓子、ありがとう」と満面の笑みで白のチューリップを手渡すと、横浜紅谷能見台店の店長、鈴木和美さん(49)は「うれしいし、頑張るね」とほほ笑みながら受け取った。交流を通じて鈴木さんを知った小野蒼太さん(14)は「コロナ禍でもあり、人と触れ合うことが少なかった。店長も優しくて元気で、街の人のことが知れて良かった」とうなずいた。

 植栽などは市内の道路の清掃や美化活動などを行うボランティア「ハマロード・サポーター」の「マチニオンガエシ能見台」が主催。150本ほどのチューリップが見頃を迎え、その内の25本を配った。球根を提供した市金沢土木事務所の松嵜尚紀所長は「活動を通して絆が深まりうれしい。交流を続けてほしい」と今後の広がりも期待していた。

 ◆沿道スペースの植栽活動 横浜市金沢区堀口交差点付近にある長さ50メートル以上の沿道スペースで、近くに住む男性が20年以上にわたり植栽を善意で行っていたが、高齢のため引退。取材班が昨年7月、男性の思いなどを報じた。その後、地域住民が中心となって植栽活動を開始。交流の輪が広がっている。

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