広島県教育長の高額タクシー代問題、4年間で総額721万円と判明 「コロナ後は多くなった」の議会答弁と食い違い

広島県教委の平川理恵教育長

 広島県教委の平川理恵教育長が県内の学校視察などでタクシー代を年100万円以上使っていた問題で、2018~21年度の4年間の総額が721万円に上ることが、中国新聞の情報公開請求で分かった。18、19年度は年200万円を超えていた。県教委は「教育長専用の公用車はなく、タクシーに頼らざるを得ない」と、必要な支出だったと主張している。

 開示された「タクシー使用簿」によると、平川氏が使った各年度のタクシー代の合計額は18年度202万円▽19年度204万円▽20年度172万円▽21年度143万円―だった。県庁のある広島市と福山市を往復していたほか、大崎上島町にある県立中高一貫校の広島叡智(えいち)学園を1週間に2往復したケースもあった。

 県教委総務課によると、県教委には公用車が3台ある。ただ、職員が頻繁に使っており、教育長は自由に利用できない状況という。

 昨年11月の県議会決算特別委員会でも一部の県議が高額なタクシー代について追及。平川氏は「コロナの前は新幹線で行くことも多かったが、コロナ後は多少(タクシー利用が)多くなった」と答弁し、新型コロナウイルスの感染対策を理由に挙げていた。

 ただ、実際のタクシー代はコロナ禍前の18、19年度の方が多かった。同課は、平川氏が「現場主義」を掲げ、18年4月の就任直後に積極的に学校を訪れた結果と説明する。今後については「コロナが落ち着いたのも踏まえ、これまで以上にコスト面も含め効率的な移動手段を判断していく」としている。

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