岡山県立美術館(岡山市北区天神町)で開催中の「和田誠展」の会場を5日、和田さん(1936~2019年)の妻で料理愛好家やシャンソン歌手として活躍する平野レミさんが訪れた。ポスターや装丁、似顔絵など多彩な作品を鑑賞し、「和田さんの魂がここにあるよう。見るごとに新しい発見がありワクワクする」と喜んだ。
同展は、イラストレーターを中心に映画監督、エッセイストなどさまざまな顔を持つ和田さんの膨大な仕事を紹介している。レミさんはジャズ作曲家デューク・エリントンの似顔絵に駆け寄り、「うまいでしょ、和田さんはこの人大好きだったの」と思い出し、「終わったら全部ほしいくらい」とほほ笑んだ。また和田さんがレミさんと最初のデートの際に作詞作曲したという“幻の曲”の楽譜の前で生歌を披露。「死後に見つかった、私へのラブレターなんですよ」と涙ぐんだ。
和田さんは仕事を家に持ち込まず、レミさんも全容に触れる機会はなかったという。遊び心あふれるイラストなどを眺めつつ「和田さんの優しさが伝わる素敵な展示。幸せな気持ちで帰ってほしい」と話していた。
山陽新聞社など主催。5月7日まで。同1日を除く月曜休館。