リード
笠岡に到着1日目はみなとこばなし中心に笠岡市内を散策
ロッカソン合宿@岡山に参加する学生のみなさんの集合場所は、JR西日本山陽本線の笠岡駅です。
午後1時に集合。
オープニングを笠岡諸島交流センター(笠岡港旅客船ターミナル「みなとこばなし」)でおこなったあと、笠岡駅前を散策するスケジュールです。
商店街から威徳寺へ
笠岡駅前の散策は、笠岡駅に一番近い商店街を歩きながら笠岡を感じてもらいます。
関西方面から来た学生さんが多く、初めての地「笠岡」はどう映ったのでしょうか。
時間が限られていることから、あまり遠くまでは足をのばせないこともあり笠岡山 威徳寺(りゅうこうざん いとくじ)を目指すことになりました。
威徳寺に参拝したあとは、笠岡駅まで戻り、バスで宿泊先のとくら屋敷へ移動します。
宿泊先の庄屋屋敷とくらで英気を養う
ロッカソン合宿@岡山に参加した学生さんの半数が、笠岡市山口にある庄屋屋敷とくらに宿泊しました。
庄屋屋敷とくらは、地域住民の手で運用・活用する地域活性の拠点として庄屋屋敷とくらの会が中心となり、令和4年に再開したばかりです。
貸会場、カフェがありイベントなどもおこなっている庄屋屋敷。
宿泊も可能なので、参加者の宿として用意されました。
1日目の終わりに庄屋屋敷とくらでおいしいものを食べ、2日目に向けパワーをチャージ!
2日目は海の校舎でワークショップ
笠岡市で過ごす2日目は、笠岡市政策部協働のまちづくり課で担当者の話を聞き、そのあと笠岡市大島地区を散策。
夕方から海の校舎 図書室でワークショップです。
海の校舎のワークショップでは、参加者のみなさんがメンター(プランの相談者)に自分のプランについて相談をしていました。
黒板前の机では、メンターの笠岡市地域おこし協力隊 高村颯(たかむら はやて)さんが、真剣に参加者のプランに対する思いを聞きます。
笠岡市地域おこし協力隊の隊員であり株式会社kakeruX 代表取締役社長の寺田伊織(てらだ いおり)さんのアドバイスも、真剣そのもの。
プランのなかでもっと練った方がよいポイントを指摘しつつ、具体的なアドバイスを伝えていました。
海の校舎に工房を構えるSIRUHA代表の代表の藤本進司(ふじもと しんじ)さんも、作業の手を止めてメンターとしてワークショップに参加です。
いつもは静かな海の校舎の図書室は、あちこちでディスカッションが繰り広げられ、いつの間にか熱い空間に変貌していました。
3日目は自由行動でプランを練り上げる
3日目は自由行動の日。
自分のプランをブラッシュアップする時間にあててもよいし、いろいろな場所に行きヒアリングをしてプランの裏付けをしてもよしという1日です。
モヨラ韓国語教室の金振鎬(キム ジンホ)さんが運営するカフェモヨラで話を聞いたり、笠岡駅近くのマルナカ笠岡店で働く方にヒアリングしたりと、参加者は自由行動の貴重な1日をうまく使っていました。
最終日の4日目はみなとこばなしでプランの発表会
3月19日(日)の最終日は、午前10時から笠岡諸島交流センターの多目的スペース(みなとこばなし)で発表会の開催です。
考え抜いたプランを会場で発表したのは6名。
動画での発表が2名。
合計8名のみなさんが、熱いプレゼンテーションを繰り広げました。
MVPの特典と審査員
発表会はビジネスコンテストの意味合いがあり、審査によってMVPを決定します。
見事MVPを獲得すると下記の特典が与えられます。
- ロッカソン実践編特別参加権
- ローカルアイディアコンテスト本選出場権
ローカルアイディアコンテストは笠岡市、奈良県奈良市、静岡県富士宮市の3か所を中継で結ぶハイブリッド型のコンテスト。この本選に出場する権利を獲得できるのです。
ロッカソン合宿@岡山の発表会の審査員は以下のかたがた。
- タイラーデザイン事務所 代表 杉本和歳(すぎもと かずとし)さん
- 笠岡市政策部長 大須賀寿樹(おおすが としき)さん
そして、一般社団法人はれとこから筆者も審査員として参加しました。
プレゼンテーションの持ち時間は5分間。
そのあと質疑応答の時間が5分間の合計10分が、参加者に与えられた時間です。
審査の内容
以下の4項目について合計100点での採点をし、最も点数の高かった学生をMVPとして表彰します。
- 社会貢献性(30点)・・・地域や社会にとって、良いインパクトを与えることができる内容か
- 実現可能性(30点)・・・実際に実現がなされそうなアイディアであるか
- 収益性・継続性(20点)・・・実現した際に、その事業を継続していくだけの収益や、継続のための仕組みが考えられているか
- プレゼン力(20点)・・・プレゼンの上手さや熱量が伝わってきたか
審査員に採点用の書類が配られ、いよいよ発表会の開始です!
緊張の発表会がスタート
10時からの発表会に向け、参加者のみなさんはプレゼンテーションの最終確認をしています。
窓際を中心に緊張感が…。
資料をブラッシュアップしていたため、睡眠時間がほぼない状態で発表会に臨んだ学生もいたようです。
3日間の集大成。真剣です。
10時になり発表会が始まりました。
司会は、令和4年9月から11月まで笠岡市地域おこし協力隊インターンとして笠岡で活動をしていた、株式会社Ligula 代表取締役社長 CEOの今井智紀さんです。
今井さんはロッカソン合宿@岡山の運営側として、裏方で奔走しています。
ロッカソン合宿@岡山のコンセプトを説明するのは、株式会社kakeruX 代表取締役社長の寺田伊織さん。
起業について「やってみたい」「興味はある」という漠然とした思いを持つ学生のビジョンを掘り起こし、そのビジョンをベースにビジネスの基礎を学びながらオリジナルの地方活性化アイデアを考えることが目的のイベントです。
地方都市笠岡を舞台に、自分のアイデアをより具現化し実施可能なレベルまで落とし込んでいく作業をした3日間だったとのこと。
さて、どのようなアイデアが出てくるのでしょうか。
前半は会場で6名が発表
みなとこばなしでの発表がスタートしました。
浪尾優希さんの発表
会場での発表は6名。
トップバッターは同志社大学の浪尾優希(なみお ゆうき)さんです。
大学生と企業がつながることはあっても、高校生と企業、そして行政がつながる機会が少ないことに注目した浪尾さんは、お互いをつなぐことで、さまざまな課題解決ができるのではないかと考えました。
そのためのアイデアプランを発表。
トップバッターなのでちょっと緊張気味だった浪尾さんでしたが、審査員の質問にもしっかりと答えていました。
山本風花さんの発表
大阪公立大学の山本風花(やまもと ふうか)さんの発表は、「悩みの宝箱」の提案でした。
生涯をかけてやりたい目標があれば楽しいと思うけれど、その目標が見つからない人たちが自己分析をするために使うツール「悩みの宝箱」。
自分の悩みの種を分析し目標を見つけるために、アナログとデジタルの両方からアプローチするアイデアでした。
鈴木宣裕さんの発表
鈴木宣裕(すずき のぶひろ)さんは京都成章高等学校に在籍する現役の高校生です。
最年少の参加者。高校1年生ながら堂々としたプレゼンテーションでした。
鈴木さんの発表は、「行政向け研究者情報発信サービス」についてです。
研究者が研究している技術を行政が積極的に導入できるサービスの提案でした。
日本の文化を継承し日本に生まれて良かったと思える日本を作るためにまず経済を発展させることが重要と考えた鈴木さんは、日本の研究者が現在進行形で進めている技術に着目しました。
村本紗彩さんの発表
京都薬科大学の村本紗彩(むらもと さあや)さんの発表です。
将来に不安を感じている不登校の学生に、自分自身を内省し最初の一歩を踏み出してもらえるアプリ開発についてのプレゼンテーションです。
実践的な成功体験を得つつフィードバックをもらうために、職場体験を組み込んだプランでした。
岩井田智也さんの発表
教育分野のプランを考えたのは、大阪公立大学の岩井田智也(いわいだ ともや)さん。
「保護者向け教育パーソナルトレーニング」についての発表です。
子ども自身の現状・教育の現状・子どもの周囲の現状を分析し、家庭内での教育が重要だと考えた岩井田さんは、生徒の指導と並行しておこなう保護者対象のトレーニングプランを考えました。
角名伯斗さんの発表
同志社大学の角名伯斗(すみな はくと)さんの発表は、「地域活性化体験ツアー」のプランです。
地域活性化の体験の前に事前学習をし、地域で取り組んでいる人々の熱量を感じながら活性化に取り組みます。
複数の活動を体験することで「地方にとって本当に必要なものは何か?」を考えることが重要と、角名さんは話しました。
休憩の間に前半の採点
前半が終了し休憩タイムです。
審査員のみなさんは、この間に発表を終えた6名の採点にとりかかります。
審査は本当に悩みました。
どの学生も熱意を持ってプランを考え、プレゼンテーションしていることがヒシヒシと伝わってきたので。
後半はオンラインでの発表
後半は事前に収録された動画での発表です。
収録動画のため、質疑応答の時間はなくプレゼンテーションのみでした。
後半は、岡山大学の山下拓馬(やました たくま)さんの発表からスタート。
笠岡市のなかで観光客を集客している道の駅 笠岡ベイファームから笠岡総合スポーツ公園、そして笠岡ふれあい空港を使う「ひわまり」をテーマにしたイベントプランです。
笠岡ベイファームに集まった観光客を、市街地や笠岡島しょ部にどう異動させるかを考えていました。
京都大学の松原佑樹(まつばら ゆうき)さんの発表は、「LayL 親子で大きな一歩を踏み出そう」。
松原さんは、令和5年3月から笠岡市地域おこし協力隊インターンとして、笠岡で生活をしながら地域の課題解決について日々考えています。
親と子どもの共通体験は、のちのちの財産になることが多いため、親子でいっしょに体験できるテーマパークを作るプランを発表しました。
体験のベースは最新技術、テクノロジー。トレンドを親子で体験するテーマパークの提案でした。