<レスリング>ロシアとベラルーシ選手の復帰を満場一致で支持、U15・17は直ちに許容…UWW理事会

 

 世界レスリング連盟(UWW)は4月4日、ホームページで、先週行われた理事会で、国際オリンピック委員会(IOC)が定めた参加条件の下でロシアとベラルーシ選手の競技への復帰を満場一致で支持することを決めたことを報じた。

 U15とU17に関しては、中立の選手として国際大会に出場することを直ちに許可することを決定。シニアについては、IOC が推奨する参加条件に基づいて、ロシアとベラルーシの選手の適格性を検証するための独立した委員会が設置され、同委員会による審議のうえで参加の可否が決定される見込み(注=U20・23については記載なし)

 スポーツを通じて平和と兄弟愛を促進し、ウクライナの人々との連帯を促進するという組織の役割も強調し、ウクライナ・レスリング界を引き続き支援することも表明。ロシアとベラルーシの政府と国家当局に対する制裁は継続し、UWW後援の国際大会がロシアで開催することはないことも明らかにした。

 ネナド・ラロビッチ会長は「スポーツは、歴史上、人々を近づける媒体でした。スポーツとしてのレスリングには、異なる文化や背景を持つ人々を結びつける独自の能力があります。さまざまなコミュニティ、国、地域間の平和構築に役立つ大きな可能性があります」とコメントし、レスリングを通じた世界平和を求めた。

 IOCは今年1月、ウクライナ侵攻で国際大会から除外が続くロシアとベラルーシ選手の復帰に向け、個人資格の「中立」選手に限定するなど諸条件を各国際競技連盟(IF)に勧告した。フェンシング、卓球に続き、テコンドーが5月の世界選手権(アゼルバイジャン)に個人の「中立」選手として参加することを認めると発表。国際体操連盟(FIG=渡辺守成会長)もロシア選手らの参加に理解を示した。

 一方、IOCトーマス・バッハ会長のお膝元のドイツ・オリンピック委員会は両国の国際大会からの除外継続を支持する方針を変えず、世界陸上連盟(IAAF)は除外継続を決めるなど、反対も根強くある。ウクライナは、パリ・オリンピック予選にロシア選手が参加する場合、選手を欠場させる方針を決定している。

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