お寺でライブいかが 小矢部の大念寺、本堂にマイク・楽器設置

本堂の一角に設置したステージで、イベントをPRする小林副住職

 富山県小矢部市中央町の大念寺は8日から、本堂にマイクや楽器を設置し、参拝者にライブ演奏などを自由に披露してもらうイベントを始める。「おてらマイク」と銘打ち、偶数月の第2土曜に開く。若い世代を中心とした寺離れの解消につなげたい考えで、企画した小林和宏副住職(61)は「新しいご縁が広がればいい」とPRしている。

 大念寺は江戸時代の1615年から続く浄土宗の寺院。イベントの発案は小林照人住職(89)の長男である小林副住職が2021年に石川県内のメーカーを定年退職し、約40年ぶりにバンド活動を再開したことがきっかけだった。ドラム担当として富山、石川両県のライブハウスへ行った際、「オープンマイク」と呼ばれるシステムに魅力を感じた。

 オープンマイクはライブハウスがステージを一般開放し、来場者が安価な料金で自由にパフォーマンスができる仕組み。これをヒントにイベントを思い付き、本堂の一角にマイクや打楽器、アンプを置いた。

 おてらマイクは午後2時から日没までで、予約不要。楽器演奏や歌に限らず、朗読、コント、詩吟など何でも自由に発表できる。参加、観覧には食品や日用品を「お供え」として納める必要がある。この「お供え」は後日、寺が認定NPO法人おてらおやつクラブ(奈良)を通じて全国の貧困家庭に届ける。

 小林副住職は「檀家(だんか)さんだけではなく、地域の人々が気軽に寺を訪れるきっかけになればうれしい」と期待している。

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