まち全体を「博物館」に 市が構想策定「来るたび発見と感動を」/岡山・津山市

岡山県津山市は、市域全体を屋根のない博物館ととらえ、特色あるまちづくりを展開するための方針をまとめた「津山まちじゅう博物館構想」を策定した。本年度以降、構想実現に向けたコンソーシアムを立ち上げるとともに、具体的な事業計画を作って各種取り組みを進めていく。

基本理念は「津山を未来に引き継ぐための『津山らしさ』の創造と地域活力の向上」。基本方針に①津山遺産の再認識と保存・活用・創造②活動を担う人材の育成③インフラなどの整備④津山遺産を活(い)かした地域経済循環の拡大―を掲げ、「意識」「人」「土台」「施策」づくりを進める。

取り組みを推進するための仕組みとして、市や関係団体などによるコンソーシアムを立ち上げ、各種施策・事業を展開するとともに、資金調達先の確保などを行う。

埋もれている遺産の発掘と魅力創造、観光客誘致といった課題を整理。その上で、目指す博物館の姿として▽古代から近世、近代のそれぞれの時代につかることができるまち▽人それぞれの嗜好に対応した楽しみ方が提供できるまち▽来るたびに来場者にさまざまな発見と交流があり、感動が生まれ、再度訪問したくなるまち―などを示している。

また住民と行政の役割として、住民には「津山遺産を再認識し、主体となって地域の資源として保存・活用・創造を進める」などを期待。行政は「関係部局で連携し、構想実現のための施策づくりを行う」「必要な人材を育成する」などを記している。

策定にあたっては市民懇談会、有識者会議を設置するとともにアンケート調査を行って住民参画を図り、意見を反映した。

市は「構想に基づいて各種施策を着実に推進し、住民と行政が一体となって、津山にしかできないこと、津山でしかできないことを探究・追究し、津山の未来を創造していきたい」としている。

© 津山朝日新聞社