クリーンな電力とヴィーガンメニューで、サステナブルなお花見を実現

アートイベントなどを企画・制作しているネイキッド(東京・渋谷)が、新宿御苑(東京・新宿)で、環境に配慮した夜桜イベント「NAKED桜の新宿御苑2023」を開催している。プロジェクションマッピングや一部のライトアップの電力には、水素と酸素を化学反応させて電気をつくるトヨタ自動車「MIRAI」の燃料電池や、会期後半からは同社と本田技術研究所が共同開発した燃料電池バスと大小バッテリーを組み合わせて構築した移動式発電・給電システム「Moving e」を活用。またキッチンカーでは、容器やストローにバイオプラスチックや紙素材を使ったヴィーガンメニューを提供している。(松島香織)

オープニングセレモニーで、ネイキッド代表の村松亮太郎氏は、「環境をリスペクトし大切にしながらサステナブルを目指し、お花見を新しい形で楽しんでもらえる演出を心がけた」と挨拶。続いて環境省 自然環境局 新宿御苑管理事務所長の曽宮和夫氏は、「御苑の桜は多種多様であり、特に八重桜は楽しめる時期が非常に長い」と見どころを紹介した。

「MIRAI」からプロジェクターに流れる電力。紫色のLED照明で可視化した

トヨタ自動車 水素製品開発部 水素事業計画室 主査・担当部長の折橋信行氏は、「MIRAI」や「Moving e」について、「水素を燃料として電気を作り出して、CO2を出さずに車の外に電気を供給することができる」と説明。「普段電気は見えないが、電気が流れるケーブルにLED照明を付けて見える化した。これが環境にやさしい水素の電気なのだと見てもらい、水素や脱炭素を身近に感じてほしい」と話した。

プロジェクションマッピングは、その都度満開の木を選んで点灯していくという。今回こうした移動できる発電・給電システムを採用したのは、「芝生や樹木を傷めないという理由もある」とネイキッドの広報担当者は説明する。

ヴィーガンメニュー
会場入り口付近に並ぶ提灯

会場では、QRコードを読み込んで自分の桜を占う「MY桜占い」で提灯を選び、桜の形をした明かりでソーシャルディスタンスを保つことができる。また手指洗浄剤を吹き付ける「NAKEDつくばい[^undefined]」には、日本発の「MA-T™」[^undefined]技術を用いてアース製薬が協力した。つくばいに手を入れると洗浄剤とともに、桜が映し出される仕掛けになっている。

イベントは19時から21時の間、4月23日まで開催する。
※Matching Transformation System®の略。酸化制御技術。亜塩素酸イオンから必要な時に、必要な量の活性種(水性ラジカル)を生成させることで、流行性ウィルスをはじめとするウイルスの不活化、種々の菌(細菌)の除菌を可能にする。

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