セブン&アイ売上高11兆円超え 小売業初、海外事業拡大が寄与

セブン―イレブンの看板

 流通大手セブン&アイ・ホールディングスが6日発表した2023年2月期連結決算で、売上高に当たる営業収益は前期比35.0%増の11兆8113億円、純利益は33.3%増の2809億円となった。国内小売業で売上高が10兆円を超えたのは初めてで、米コンビニ大手スピードウェイ買収による海外事業の規模拡大が寄与した。

 営業収益と純利益はいずれも過去最高だった。ただ、スーパー事業の不振は続いており、立て直しが課題となる。

 国内コンビニ事業は、新型コロナウイルス禍による落ち込みから回復し、営業利益が3.9%増だった。百貨店のそごう・西武は衣料品や高額品が好調で、営業損益が34億円の黒字(前期は81億円の赤字)に転じた。

 一方、イトーヨーカ堂などスーパー事業の営業利益は燃料費の高騰などが響いて35.6%減だった。衣料品を展開するバーニーズジャパンは純損益が7億円の赤字だった。

 セブン&アイはそごう・西武の売却を決めるなど事業の見直しを急いでおり、バーニーズ株のラオックスホールディングスへの売却も発表した。

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