コロナワクチンの利点欠点知って 接種後死亡遺族ら盛岡で講演

新型コロナワクチンの健康被害の当事者らが登壇した講演会

 新型コロナウイルスワクチンの健康被害に理解を深めてもらおうと、接種後に家族が亡くなった遺族やその支援者による講演会が盛岡市内で開かれた。2021年10月、接種の3日後に夫が亡くなり、今年1月に国の予防接種健康被害救済制度で死亡一時金の給付が認められた宮城県在住の団体職員須田睦子さん(35)や本県の遺族らが登壇。ワクチン接種について「メリットだけでなく危険性があるということも多くの人に知ってもらいたい」と訴えた。

 睦子さんは、夫の正太郎さん=当時(36)=が2回目の接種から亡くなるまでの様子を明かした。

 正太郎さんは接種の翌日に発熱や胸の圧迫感、息苦しさを訴えた。睦子さんは医療機関に相談したが「副反応のためこちらでは何もできない」と言われ、薬を飲んで様子を見た。次の日の夜、症状が和らいだ正太郎さんは「看病してくれてありがとう」と睦子さんに伝えると、長男、次男と寝室へ。しかしその翌朝、呼吸をしていない状態の正太郎さんを家族が発見。搬送された病院で死亡が確認された。

 基礎疾患はなく、健康にも気を使っていた正太郎さん。当時、睦子さんは次女を妊娠しており、夫婦で接種を決めたのも子どもたちを守るため。「国からワクチンの危険性を伝えてもらっていれば、私たちも接種しなかったかもしれない。メリットもデメリットも公平に発信してほしい」と訴えた。

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