北海道のコンビニ「セコマ」を徹底解剖!150万本ワイン倉庫も!?

今回の特集は「セコマ」。北海道のコンビニエンスストアでは最大手。多くのファンを持つその理由に迫る。

【人気のホットシェフ こだわりと品質維持の秘密】

セコマの最大の強みは「ホットシェフ」。店内調理した料理を販売している。4分の3を超える900店に備え、年間の売り上げは全体の1割に及ぶ。

品数は現在、30種類以上。弁当の一番人気は「カツ丼」。販売数量が一番多いのは「フライドチキン」だ。

店舗運営で難しいのが、この品質管理だ。セコマでは、厨房専属の調理担当者が作るため、北海道内どのお店でも同じおいしさを維持できている。

食材も、多くが北海道産だ。フライドポテトも元々アメリカ産を使用していたが、輸送費の高騰などによって北海道産ジャガイモとの価格差が縮まり、今年はほとんどを北海道産に切り替えた。

また、ホットシェフはガス釜を使用しているため、災害などでの停電時でも機能する。胆振東部地震でも炊き出しに使用した。

【ワインも豊富な品揃え 倉庫には150万本が!?】

セコマで人気の商品の一つが、ワイン。G7シリーズなど、豊富な品揃えを安価に提供するのが特徴だ。

石狩にある、セコマのワイン倉庫。貯蔵する本数は、なんと150万本。半年で売れる量だという。

箱を見ると、チリ・スペイン・イタリア・フランスなど…さまざまな国の表記が。

安さの理由は、輸入から管理まで自社グループで完結させていること。現地のワイナリーに行き、直接交渉。独自の流通ネットワークに乗せることでコストを押さえている。

商品選びの条件にしているのが、味と価格。特に、日本人の好みに合うかどうかが重要だという。カリフォルニアワインの導入も決まった。

セコマは、ワインの直輸入を1980年代から始めている。当時は今ほど売れていなかったが、徐々に売り上げを伸ばしてきた。北海道の食文化自体を少しずつ変えていったのかもしれない。

さらに、ワインと北海道産フルーツを使ったサングリアサワーも販売している。これは製造している50万本のうち、47万本が北海道外で販売されている。

【メーカーとしての側面も 充実のPB】

サングリアサワーのように、プライベートブランド(=PB)の商品が充実しているのも特徴だ。店舗には総菜コーナーが。

北海道の強みでもある牛乳・乳製品も人気。

特にソフトクリームは、北海道外でも人気。全アイスの3分の1にあたる年間700万個が北海道外で販売されている。

セコマは茨城86店、埼玉9店と北海道外にも店があるほか、400以上の取引先があり、北海道外でも商品が販売されている。

最近でも、オリジナルのカップ麺「山わさび塩ラーメン」がSNSからヒット商品になった。

【旬の商品を空輸で届ける!? 最大の強みは物流】

実はセコマ、愛媛のいよかんを販売していた。

ANAグループの「ANAあきんど」と協力し、愛媛の農園から北海道のセコマまで、出荷から約48時間で店頭に並んだ。

航空貨物の中間便を使い、通常よりも安い料金で輸送できたという。ゆくゆくは、セコマのPB商品を本州に送る双方向の空輸も視野に入れている。空港までの輸送がカギを握るが、北海道のほぼ全域をカバーするセコマの物流網が生きている。

北海道、さらには北海道外にも活躍の場を広げるセコマ。今後の展開にも注目していきたい。
(2023年4月8日放送 テレビ北海道「けいナビ~応援!どさんこ経済~」より)

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