西粟倉施設整備 不適切発言も継続 財政負担懸念、村議会容認転じる

建設が始まっている宿泊交流施設=西粟倉村影石

 岡山県西粟倉村が民間連携で整備している宿泊交流施設の運営予定会社の社長が不適切発言をした問題で、村は同社との契約を解除せず、整備を継続する方針を決めた。中止や見直しに伴う多額の財政負担への懸念が理由で、契約撤回を求めていた村議会も容認に転じた。

 5日に非公開の村議会全員協議会を開き、決定した。村は建設事業費(約13億8千万円)のうち、大半を占める国交付金や起債の返還などが生じると説明し、事業の推進を表明。村議からは契約の撤回や見直しを求める主張が引き続き上がったが、最終的には承認した。

 金田豊治議長は「苦渋の選択だ。村が単独で財政負担するには額が大きすぎる。事業の進捗(しんちょく)を注視していく」と取材に答えた。青木秀樹村長は「大所高所に立った判断をいただいた。事業を成功させ、地方創生に結び付けるのが村の責任。身を引き締めて業務に当たる」とコメントした。

 会社はワンテーブル(宮城県多賀城市)。社長は小規模自治体を念頭に「行政機能を分捕る」「地方議会は雑魚」などと知人に話したことを3月、地元紙に報じられた。発言を認め、辞任意向を示している。

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