推理作家・横溝正史(1902~81年)の疎開宅(倉敷市真備町岡田)前の畑で、黒いチューリップが咲き誇っている。名探偵・金田一耕助シリーズをはじめ作品の世界観にマッチしたミステリアスな雰囲気をまとい、春風に揺れている。
チューリップは4品種計800本。疎開宅管理組合によると、3月下旬から開花した。丸みを帯びた花びらが特徴の「コンチネンタル」など3品種はほぼ満開で、花びらが幾重にも重なる「ブラックダブル」はこれから咲くという。
地域の企業や住民から贈られた球根を昨秋に植え、管理組合が育てていた。浅野昭江管理組合長(79)は「きれいな花が咲き、上出来。大事に育てた珍しい色の花をみなさんに見てもらいたい」と話している。
16日には金田一耕助の誕生を祝うイベントも開かれる。問い合わせは同組合(086―698―8558)。