「日高屋」82歳会長が保有の自社株20万株を従業員に譲渡 バイト・パートにも!「感謝の気持ち」

中華料理チェーン「熱烈中華食堂日高屋(日高屋)」を展開するハイデイ日高(さいたま市)は6日、創業者で代表取締役会長の神田正氏(82)が保有する同社の株式20万株(時価総額約4億3000万円)を正社員、パート・アルバイト従業員約1100人に譲渡すると発表した。

役職や勤続年数に応じて、約100~400株を贈与する。東証プライムに上場する同社の6日終値は、2139円。従業員1人あたりに約22~88万円分の株が渡される。同社によると6月に実施され、売却も自由。2度目の譲渡となる。

神田氏は1973年(昭和48)、当時の埼玉県大宮市(現さいたま市)の繁華街・宮町に5坪の店「来来軒」を開店し創業。2002年6月に、日高屋1号店を新宿東口に出店し、グループ全体で439店舗を数える。

同社を通じて神田氏は「長い間会社の発展のため尽力し、共に働いてきた従業員への感謝の気持ちを表し、変わることのない創業の世信と経営理念が継承され、更なる発展を遂げて欲しいという願いを込めて、今回2回目となりますが私の所有する当社普通株式の一部を贈与することに致しました」と談話を発表。「会社が成長し、利益を社員に還元する『分かち合う資本主義』をこれからも大切にしていきたいと思っています」とした。弊社の経営陣にも、ぜひ聞いてほしい言葉だ。

50周年を記念したメニューの発表会で、神田氏は「社員は幸せになるために入っているんだから。成長したら分配。ベースアップや、インフレ手当も考えている」と強調。言葉通り、社員860人に物価上昇にともなう「特別感謝金」5万~45万円を支給したほか、5%弱(1万3000~1万5000円)のベアを実施。新卒の初任給も1万5000円引き上げ、25万円とした。

(よろず~ニュース・杉田 康人)

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