優生保護法下の強制不妊手術に関わる公文書を非開示としたのは情報公開条例に反するとして、京都新聞社が滋賀県に開示を求めた訴訟で、県は6日、一部開示を命じた大津地裁判決を不服として、大阪高裁に控訴した。同社も7日に控訴する方針を明らかにした。
県子ども・青少年局は「判決の一部に不服がある」とし、詳細な主張は訴訟で行う意向を示した。
京都新聞社は「判決が非開示とした部分には、強制不妊手術被害の実態解明に欠かせず、県個人情報保護審議会でも公開が妥当とされ、複数の他県では開示された項目が含まれている。判決には承服しがたい点があり、控訴することにした」としている。
判決は、手術を受けた当事者の行動傾向や発病後の具体的な行動、治療経過などの情報は一部を除いて開示を命じている。一方、異性関係や出生、遺伝情報などは非開示とした。
原告弁護団によると、県が黒塗りして非公開とした347カ所のうち、判決が開示すべきとしたのは225カ所で、61カ所は部分的な開示を命じているという。