澄み渡る青空。美しい芝。白球が奏でる音に、歓声が重なり合う。最高峰のプレーに心躍り、熱く盛り上がる場所。今年アメリカ中を飛び回り、MLB全30球場を制覇したスポーツアナウンサー福田太郎が、あなたを「夢のボールパーク」にお連れします。MLBスタジアムの世界へ、ようこそ。
MLB史上2番目に歴史があるボールパーク
1914年開業、1916年からカブスの本拠地になった「リグレー・フィールド」は、アメリカ国定歴史建造物、まさに伝統のボールパークです。
名物は外野のフェンスを覆う、緑のツタです。「野球は太陽の下でやるべきもの」と述べた先代球団オーナー、フィリップ・リグレーのアイデアで、Boston Ivy（ツタ）とJapanese Bittersweet（ツルウメモドキ）のミックスなんだそうです。四季がはっきりしているイリノイ州ならでは、訪れる時期によってツタの色付きが変化するのも醍醐味です。
美しいスタジアム、筋金入りの野球ファンに歓迎され、昨シーズン、鈴木誠也選手が入団しました。走攻守、三拍子が揃った名選手で、ユニークなキャラクターも人気です。みんなに愛される誠也選手を応援しに、シカゴへ行きましょう！
[緑のツタと天然芝が、青空によく映えます！](
リグレー・フィールドへ
「シカゴ・オヘア国際空港」は、世界中の飛行機が往来する、アメリカ屈指の空の玄関口です。「O’hare」で「オヘア」と読み、日本からの直行便も飛んでいます。空港からはデイパスを買って、電車に乗るのがおすすめ。まずは街の中心部へと向かいます。
ちなみに、街中で南方面に乗り換えると、ホワイトソックスの本拠地があります。北に向かうと、トータルで1時間ほどで、最寄りの「アディソン駅」に到着。
古き良き球場の趣はそのままに、近年リノベーションされた芝生の広場やバー＆レストランで、今か今かと開場を待つ、ファンの姿が見えてきました。エントランスにある真っ赤な看板「リグレー・フィールド・マーキー」をくぐって、心地良いオルガンの音色が聞こえてきたら…Wrigley Field! Nice to meet you!
[かつては青・緑・紫だったこともあるそう](
鈴木誠也選手に会いに行こう！
チームストアには、アルファベットの「SUZUKI」はもちろん、漢字で「鈴木誠也」と記されたTシャツやユニフォームも数多く並びます。誕生日で初めて野球観戦に来た子供達は、みんなでお揃いの「SUZUKI」Tシャツ。「Best Right Fielder ever!（＝最高の右翼手）」と誠也選手の大ファンだそう。
開場と同時にスタジアムに入れば、試合前のバッティングや守備練習をする誠也選手がそこにいます。ウォーミングアップを終えた誠也選手がやって来ました！丁寧にサインや写真撮影に応じ、ファンを大切にする姿も、愛されるポイントなんでしょうね。
Ballparkの楽しみ方
球場内部は至る所にレンガが用いられ、壁には昔ながらの文字やイラストが描かれていて、ぐるりと歩いてみるだけで、とても楽しいです。
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熱心なファンが多く、相手チームの選手がホームランを放つと、フィールドにボールを投げ返すのが風習。すぐさま係員が駆けつけ、ボールを拾って、スタンドの子供たちや相手チームのファンに投げ入れます。
開場100周年を迎えた2014年に、球場内の補修や再開発が進められ、みんなで楽しめるボールパークになりました。「1060プロジェクト（球場沿いのストリートから命名）」で作られた広場は、イベントや家族の憩いの場として使われています。球場を取り囲むように、ホテルやレストラン、商業施設が建ち並び、野球にあまり興味がない人も、試合がない時間も楽しめるようになりました。
[古きを温め、新しきを知る](
ユニークなのが、スタジアムの外の建物の「屋上にあるルーフトップ席」です。現在は球団公認のシートになっていて、グループのパーティーなどで人気だそうです。
[球場の外から試合を観られるなんて！](
シカゴスタイルのホットドッグ
せっかくシカゴに来たなら、本場仕込みの伝統ある食べ方にトライしましょう！まずは、パンに、マスタード！！そこに、玉ねぎ、スイートレリッシュ、唐辛子、トマトを載せます。どれもたっぷりと！セロリソルトを振って、最後にピクルスを添えたら完成です。
球団スタッフのおじいさんが教えてくれました。「No Ketchup」ケチャップは邪道だそうです。ただ好みはそれぞれ。もちろん球場にはしっかり備えてあるので安心です。美味しいホットドッグ片手に、みんなでSay!Seiya!
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福田太郎（ふくだ・たろう）／ 1991年生まれ。HTB北海道テレビ放送アナウンサー。プロ野球の実況中継や、朝の情報番組MCを担当した後、2022年2月から11月まで休職。MLB全30球団・ボールパークを訪ね、世界最高峰のスポーツエンターテイメントを学び、12月に復職。写真：福田太郎
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