水戸・新市民会館で内見会 多機能な設備に期待 デザイン性富む各ホール

大ホールを見て回る内見会参加者=水戸市泉町

7月2日にオープン予定の新水戸市民会館(水戸市泉町)で、貸館利用を検討している団体やイベント関係者を招いた内見会が開かれている。参加者はデザイン性に富んだ各ホールや、やぐら広場を眺め、世界的建築家である伊東豊雄氏の技術を実感。茶室や展示室、スタジオ、調理室などを備えた多機能な各設備に、「コンサートだけでなく、何のイベントでも使い勝手が良さそう」と期待を込めている。

新市民会館は現在、大規模コンサートやコンベンションなど複数の施設を同時に使う「優先予約」が入っている日程を除き、利用希望日を募っている。複数から希望があった場合は抽選となるため、「抽選受付」としている。受け付けた団体には、開館前でもイベントのイメージを固めてもらおうと内見会を順次開催。今年8月の利用分については約20件の申し込みがあり、3月8日から内見会が始まった。

内見会は、市民会館スタッフの柴崎剛さんと和久井瑛理さんが案内役を務める。梅の花をモチーフにした音響反射板が特徴的な大ホールや、講演会や室内楽にも利用できる中ホールでは、参加者は客席に腰かけて座り心地を確かめ、シャワー室やトイレなども備えた楽屋も巡った。

柴崎さんは、伊東氏の建築デザインについて、最上部の4階まで吹き抜けたやぐら広場を紹介する。広場のはりを横から目にすると、一つ一つの部材が少しずつ角度をずらして配置されていることが分かると説明し、「造形物として芸術的」と強調する。

参加者は他にも各会議室や展示室、料理教室が開ける調理室や自習などに一般利用できるラウンジギャラリーなども巡った。

吹奏楽の催しを検討している指導者の30代男性は「普通にコンサートしたくなった」とホールを称賛。「関東圏でこの規模はそうないのではないか」と話した。一方、著名人の講演会を想定していた50代男性は「表示板はもっと見やすくしてほしい。高齢者には厳しいのではないか」と注文を付けた。

市民会館ではイベント関係者だけでなく市民向けの内見会も開かれており、同月27日は市住みよいまちづくり推進協議会の各地区会長約30人が館内を見学した。

新市民会館整備課の須藤文彦課長は、隣接する水戸芸術館と機能面ですみ分けし、市民会館は文化活動の入り口の場としたいと説明。「市民のための会館。50年後でも市民によって使って変えていける施設を目指す」と話している。

各ホールや展示室などの利用料金は、市民会館の公式ホームページで公開されている。

4階には屋上庭園があり、茶室から庭園と水戸芸術館のタワーの眺めを同時に楽しむことができる=水戸市泉町

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