ザ・ビートルズ、60年前に英国で録音されたライブ音源発見

60年前に録音されたザ・ビートルズのライブ音源が発見された。本国イギリスで録音されたフル尺のテープとしては最古のものとみられている。

録音されたライブは、1963年4月4日に英バッキンガムシャーのストウ・スクールで行われた。当時まだ駆け出しの新進気鋭バンドだったザ・ビートルズが校内の劇場で演奏した際、同校の寮生だった10代のジョン・ブルームフィールドが新しいオープンリール式テープレコーダーを試していた。英BBC Radio 4の『Front Row』で公開されたその録音は、「アイ・ソー・ハー・スタンディング・ゼア」で始まり、チャック・ベリーの「トゥー・マッチ・モンキー・ビジネス」へと切れ目なく続いていく。長年にわたり録音を大切に保管しながら、今までその存在を明かしていなかったブルームフィールドは、現在70歳だ。

BBCによるとこの録音は、「ザ・ビートルズの研ぎ澄まされたライブの魅力をとらえたもの」で、「ライブハウスでのレパートリーだったR&Bのカバーや、そのわずか2週間前の3月22日に発売されたばかりのデビュー・アルバム“プリーズ・プリーズ・ミー”の収録曲など、レノン/マッカートニーの作曲家コンビの初期作が入り交じっている」とのことだ。

この発見について、ザ・ビートルズ史研究者であるマーク・ルイスンは、「完全に青天の霹靂であるこのテープがもたらす機会は、彼らが完全なる世界的名声を得る直前の瞬間を聞くことができるので、とてつもないことです。(彼らが名声を得た後は)すべてのオーディエンス録音は悲鳴に覆われるようになるからです」と述べている。BBCによると、いわゆる“ビートルマニア”の特徴である黄色い声にかき消されることなく、ほとんどが男性の観客がリクエストを叫んでいる様子がマイクで拾われている。

そして、「英国での彼ら(の演奏)を、聞こえる環境で、テープが彼らをきちんと捉えている状態で、さらに観客とも談笑できているような時期の彼らを聴くことができる機会がやってきたわけです」と続け、また、「信じられないほど重要な録音だと思います。最終的にそれに何か良い、建設的で創造的なことが起こることを願っています」と付け加えている。

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