トルコ地震2カ月で黙とう 串本町、義援金3千万円近くに

トルコ南部で発生した大規模地震から2カ月を迎え、犠牲者に弔意を示すために黙とうする串本町職員(6日、和歌山県串本町サンゴ台で)

 トルコ南部で発生した大規模地震から2カ月を迎えた6日、長年トルコと友好関係にある和歌山県串本町では、朝礼に合わせて職員が黙とうした。「町として息の長い支援をしていきたい」と、田嶋勝正町長。町が地震発生の翌日から募っている義援金はこれまでに3千万円近くに上っており、町では引き続き協力を呼びかけている。

 この大地震による死者はトルコで5万人余り、隣国シリアと合わせると5万7千人以上に上っている。

 串本町では1890年、樫野沖でトルコ軍艦エルトゥールル号遭難事故が発生。その際に大島島民が不眠不休で救助に尽力したことが両国の友好の原点とされ、町では長年、友好関係を築いてきた。

 同町では地震から1カ月を迎えた3月6日に同町サンゴ台にある町役場前に半旗を掲揚したり、議員や職員らが黙とうしたりしたが、2カ月の節目を迎えたこの日も、犠牲者に弔意を示すために職員が黙とうすることにした。

 この日は午前8時25分に庁内放送で呼びかけ、約200人が30秒間黙とう。同町では毎日、各課が朝礼の際にトルコ語のあいさつの練習を続けており、この日も「ホシュゲルディニズ(ようこそ)」「ギュナイドゥン(おはようございます)」などと声をそろえていた。

 また、同町が在日トルコ大使館に届けたいと地震の翌日から呼びかけを始めた義援金は5日正午までに、町内外から2922万6554円が寄せられた。このうち2600万円は、すでに在日トルコ大使館に送っている。

 田嶋町長は「多くの義援金をお預けいただいたことを感謝申し上げたい。過去に例を見ないような大地震で、これから復旧復興にはずいぶん長い時間がかかると思っているので、町として継続的に支援をして義援金を呼びかけていく中で、黙とうという行為をしていくことは大事。今後も続けていきたい」と話していた。

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