仏人気電子音楽デュオ、解散理由はAIへの懸念 

電子音楽デュオのダフト・パンクが解散したのは、AI(人工知能)が「音楽創造に用途以上の影響をもたらす」ことへの恐怖を感じていたからだという。フランス出身のトーマ・バンガルテルとギ=マニュエル・ド・オメン=クリストによる同デュオは、28年間活動を共にした後2021年に解散を発表していたが、トーマが今回「人工知能の台頭」がその理由だったことを明かしたかたちだ。

トーマはBBCとのインタビューで、こう説明している。「(ダフト・パンクとして)僕達はマシンが感じられなくて人間が感じることのできる極度に感動的なものを表現するために、これらのマシンを使おうとしていた。僕達は常にヒューマニティ側にいたんだ。テクノロジー側ではなくてね」「僕達はこのキャラクターを愛しているけど、2023年に僕達が住む世界で、最もしたくないことはロボットとなることだ」

また、アンドロイド風のヘルメットかぶりミステリアスな雰囲気を漂わしていた理由を尋ねられると「僕とギ=マニュエルにとって、ナラティブが進行中にそれを台無しにしないことがとても大切だったんだ」と答えた。

今なお音楽シーンに多大な影響を与え続けるダフト・パンクは当時、「エピローグ」と題されたドラマティックなビデオで解散を発表していた。8分間のビデオでは、お馴染みのヘルメットとレザージャケットに身を包み荒野に佇む2人のうちの1人が、相手の背中についたエナジーパックのボタンを押したことによりそれが爆発、「1993-2021」というキャプション現れ、残った1人が夕日の中を歩いてゆくシーンで終わっていた。

ダフト・パンクのラストアルバム『ランダム・アクセス・メモリーズ』は世界中で大ヒットを記録、2014年のグラミー賞で5賞に輝く成功を収めていた。

(BANG Media International/よろず~ニュース)

© 株式会社神戸新聞社