茨城大付属小 重大いじめ報告せず 不手際認める

いじめ事案について説明する茨城大のホームページ

茨城大(水戸市文京)は7日、教育学部付属小(同市三の丸)で当時4年生の女子児童に対するいじめ事案を2021年11月に「重大事態」と認識していながらも、文部科学省に報告していなかったと発表した。

いじめ防止対策推進法では、いじめが原因で児童や生徒が長期間学校を欠席した場合などを「重大事態」と定義。事案の調査や、国立大学法人の付属学校の場合は文科省への報告が義務付けられている。

文科省によると、付属小側からは昨年5月にいじめの件数について報告はあったが、「重大事態」の扱いがなかった。今年2月2日、女子児童の母親からの情報公開請求で、重大事態の記録は存在しないことが判明。同省が付属小側に問い合わせて問題が発覚した。付属小側は同16日に重大事態について報告した。

茨城大は7日、ホームページ上で「(同法の)認識不足」や「文科省への重大事態の個別報告遅延」、「被害児童保護者に対する説明の誤りがあった」などの不手際を認めた。事案の詳細は明らかにしなかった。今月6日に被害児童と保護者に謝罪したという。

永岡桂子文部科学相は7日、「現時点では報告を受けていない」とコメント。その上で、「事実であれば極めて遺憾。事実関係を確認した上で必要な対応を取りたい」と述べた。

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