獅子舞復活 継承へ決意 富山県高岡市で8、9日披露

獅子舞復活に向け、長慶寺公民館で練習に励む参加者

 かつて富山県高岡市長慶寺地区で継承されていた獅子舞が、9日に行われる地元の西篠神社の春季祭礼で、6年ぶりに奉納される。「とやまの獅子舞百選」にも選ばれているが、後継者不足で休止していた。披露する回数を減らして担い手の負担を軽減することで再開できることになり、参加者は伝統継承への決意を新たにしている。

 高岡市長慶寺地区の獅子舞は同市五十里地区から伝わったとされ、140年以上の歴史がある。例年春季祭礼で奉納し、高岡獅子舞大競演会などに出演したこともある。だが、メンバーの中心となっていた青年団員が減少したため継続が困難になり、2017年を最後に途絶えていた。

 青年団OBらでつくる長慶寺獅子舞保存会が地域を活気づけたいと復活を企画。OBをはじめ、小中高生ら幅広い世代の参加者35人を確保した。また、これまでの春季祭礼では地域内を巡回して20カ所以上で演じていたが、負担が大きかったため、今年は9日の西篠神社での奉納と、8日の長慶寺公民館前での披露の2回のみとする。

 3月中旬から同公民館で練習を続けてきた。当日は「獅子殺し」など8演目を舞う予定だ。小学4年の時に天狗役を演じた藤田翔さん(15)は復活を心待ちにしていたといい、「太鼓や笛の音が懐かしい。みんなにかっこいいと思われる天狗を披露したい」と目を輝かせた。初参加の西島悠吾さん(16)は「獅子舞の独特な動きに慣れないが、本番では練習の成果を出して成功させたい」と話した。

 同保存会は来年以降も奉納を継続していきたい考えで、大崎政利会長は「これから若い人たちに伝承していきたい」と語った。

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