萬田久子が明かす「グランマの憂鬱」で感じていること――「叱る際に必要なのは“愛”」

フジテレビ系では本日4月8日に連続ドラマ「グランマの憂鬱」(土曜午後11:40=東海テレビ制作)がスタート。主演を務める萬田久子が、自身の役柄や撮影エピソードなどを語った。

「グランマの憂鬱」の原作は、高口里純氏による同名コミック。美しく雄大な里山風景が広がる百目鬼村で、代々総領職を務める“グランマ”こと百目鬼ミキ(萬田)のもとには、現代を生きる人々の切実な悩みが寄せられる。「老害なんていわれるようなババァには死んでもなりたくないね」というグランマが、豪快かつ繊細に持論を繰り出し、孫の亜子(加藤柚凪)と共に、あらゆる世代の家族、移住者、訪問者と向き合い、愛ある喝で身近な問題を一つ一つほぐしていく“痛快ほっこり物語”だ。

演じるミキについて、萬田は「常にりんとしており、自分にも他人にも厳しい方。でも、厳しい言葉の裏には愛があると思っています。私も愛を持って人と接したいと常々思っているので、そこは似ているかもしれませんね」と共感を寄せる。

実年齢よりも上の役柄を演じるのは本作が初めて。「見た目の印象についても皆さんと綿密に打ち合わせをしました。着物に関しては派手ではないけれど、質のいいものということで、大島や塩沢といった紬を中心にそろえています。また、原作では帯留めを付けていることが多いので、そこも取り入れました。着物に興味のある方には、ぜひそんな部分も注目してほしいですね」と見どころに挙げる。

また、撮影に関しては、「本当に楽しいですよ。常に楽しくなければ現場じゃないと思っているし、現場にいることが私の活力の源。細胞が生き生きしてくるのを感じます。百目鬼家のロケ現場はちょっと遠い場所にあるのですが、何度も通っていると古い日本家屋特有の匂いにもなじんできて、何となく自分の家に帰ってきたような気持ちになるんです」と充実した表情を見せた。

加えて「共演者の皆さんとも、本当の家族のように過ごしています。村長役のモト(冬樹)さんは以前からの知り合いですし、足立(梨花)さんは初対面だったけど、こういうお嫁さんが来たら心強いなと思いますね。自分の考えを持ちつつ、しゅうとめ役の私ともいい距離感を保っているし。そして、(加藤が演じる)亜子ちゃんはもう…、先輩と言ってもいいくらい(笑)。子どもらしいあどけなさもあるけれど、監督も舌を巻くくらいの演技を見せてくれて…。そんな皆さんのおかげで、私も百目鬼ミキになれたんだと思います」と目を細める。

劇中では、ミキがさまざまな問題を愛ある「喝!」で解決へと導いていくが、「今の時代、他人を叱るのってとても勇気がいりますよね。叱るということは、言ったことに対して責任を持つということ。それはとてもパワーが求められると思います。そして何より、叱る際に必要なのが“愛で”す。私のデビューはスカウトがきっかけだったんですが、東京へ出て行くことについて、周囲からは反対が多かったのですが、1人だけ、賛成してくれる人がいたんです。その人は『反対している人の多くは、10年後、20年後のあなたのことまでは考えていないんじゃない?』と言ってくれて。その愛ある一言が背中を押してくれて、今の私があるわけです。周囲の意見に迎合せず、思ったことを言ってくれる存在は格好いいし、憧れますよね」と自身の体験も踏まえて、その素晴らしさを伝える。

そして、放送に向けて「見ていただくと心のコリがほぐれて、すっきりとした気持ちになれるドラマです。土曜日の夜に放送されるので、1週間分の全身エステのような効果があると思います。ぜひリラックスした気持ちで、エステを受ける感覚でご覧ください」とアピールしている。

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